熟練工らが丹念に1日3台を手作り トヨタが燃料電池車「ミライ」の製造工程を公開
更新トヨタ自動車は24日、愛知県豊田市の元町工場で世界初の市販型燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の製造工程を報道陣に公開した。ラインオフ式典に出席した豊田章男社長は「資源のない日本が、水素社会の実現のためにささやかながら第一歩を踏み出すクルマだ」と話した。
ミライは搭載する燃料電池や水素タンクを本社工場で製造し、元町工場では車体の組み立て作業を行っている。燃料となる水素が漏れ出さないようタンクとスタックの接合部にヘリウムガスを流して接合具合を確認するなど、独自の工程が加わっている。
生産台数は1日3台にとどまっており、高級車「レクサス」などの組み立てを担当していた熟練工ら13人が手作業で組み立てを担当している。生産台数に限りがあるため、注文に生産が追いつかない状態が続いており、豊田社長は具体的な受注件数は明らかにしなかったが「多くの関心を寄せていただいているが、お待ち頂いて申し訳ない。気長にお待ち頂きたい」と話した。
トヨタはミライの生産台数について、2016年には現在の3倍弱の年間2000台程度に、17年には4倍強の3000台程度へと増産する方針を明らかにしており、今夏以降は欧米でも発売する計画。
燃料電池車の普及を左右する水素ステーションなど関連インフラの整備について、豊田社長は「1社で実現できるものではなく、オールジャパンで足並みをそろえてやっていきたい」と強調した。
