SankeiBiz for mobile

大塚家具、父親会長の会見詳報 「娘の社長復帰はクーデター、社員にとってはテロ」

ニュースカテゴリ:企業のサービス

大塚家具、父親会長の会見詳報 「娘の社長復帰はクーデター、社員にとってはテロ」

更新

会見に臨む大塚家具の大塚勝久代表取締役会長=25日午後、東京都千代田区(蔵賢斗撮影)  経営主導権をめぐって、父娘の会長と社長が対立する大塚家具で、父の大塚勝久会長(71)が25日、東京都内で会見を開いた。勝久氏は、3月末開催の株主総会で自身が社長に復帰し、経営安定化を目指す株主提案を説明した。また、長女の大塚久美子社長(47)の退任を求めた。

 会見の冒頭、勝久氏ら登壇者6人に続き、部長クラス8人が並ぶ。司会から、部長8人は「危機的な状況を憂慮し、大塚久美子社長の退任を求めている」との説明があった。

 続いて、勝久氏が今回の会見について、ペーパーを読み上げる形で冒頭のあいさつを始める。

 まず、「今回の問題が大きな騒動になる中で、株主や関係者みなさまにご迷惑をかけたことをおわびします」と謝罪。登壇者とともに約10秒頭を下げた。

 その後、勝久氏が発言を続ける。

 「騒ぎが大きくなる中で、大塚家具の企業価値が毀損(きそん)している。久美子社長には理性的な判断を期待することで、この間、私は沈黙を貫いていた」

 そのうえで、「今回の問題の中で、久美子氏がコンプライアンス上の問題を抱えていることから、問題を公表すれば久美子氏の社会復帰が困難になる恐れもあり、水面下での説得を続けてきた」と経緯を説明。

 「しかし、思いは通じず、取締役会での突然の取締役選任議事に入った。もはや大塚家具の存続に関わる問題となっていた。これまで私はメディアの取材を受けてこなかったが、今回の株主提案には理由があることをわかっていただきたいし、これは大塚家具の関係者の総意である。株主提案の説明内容について、みなさまが賢明な判断を下していただくことを期待している」と締めくくった。

 勝久氏のあいさつに続き、池田真吾上席執行役員総務部長が、株主提案の理由などを説明。久美子氏にコンプライアンス上の問題があったことや、現役社員の多くが久美子氏の退任と勝久氏の経営復帰を求めていることを強調した。

 さらに、勝久氏の長男の大塚勝之専務が、経営戦略を説明。勝久氏が生み出した会員制や高付加価値戦略の継続方針を示した。同時に、久美子氏が勝久氏の経営戦略を誤解させるような発言を続けていることを批判した。

 この後、報道陣との一問一答が始まった。主なやり取りは次の通り。

 --現在の取締役から株主提案の反対が決議されていますが

 勝久氏「取締役会で決まったことは問題ある。現経営陣は財務がわからない、営業経験もない。経営できるとは思っていない。今回のこちらの提案は全員現場にくわしい人間だ。収益につながるメンバーを選んでいる」

 --何が具体的な問題か

 勝久氏「創業から46年。『高い、高い』といわれながらも良い物を販売し、ここまでやってきた。6年前に久美子氏に任せたとき、きちんと評価されるよう、商品開発や社員モチベーションなどを準備して交代したのにも関わらず、お客さまが満足する提案ができなかった。これまで信じてくれている大塚家具のお客さまは裏切れない。今回はお客さま、社員の家族、取引先にご迷惑をかけたが、何とか社長復帰してやらせていただきたい」

 --企業イメージに与える影響をどう考えるか

 勝久氏「久美子氏が社長のままでは優秀な社員が退社してしまう。社員を育てたのはお客さまだ。子供は5人いるが、1700人の社員も子供だ。このような提案にいたるまで時間はかかったが、評価してもらえる。株主へのアプローチはこれからだ。正しい報道をしていただくことが会社の価値を上げる」

 記者とのやり取りはさらに続く。

 --小売業は経営手腕だけでない要素もあるのではないか。久美子氏の何が問題なのか

 勝久氏「当社の商品は50%以上が輸入品であり、円高で価格維持が難しくなった。そこで競争に勝つために久美子氏は20%値下げしたが、そこからが久美子氏と私の違い。競争力があるのにただ安くするだけで、顧客は増やせなかった。その後、円安になっても在庫を値上げしなかった。在庫を持つことは危険だが、私は今まで為替で失敗したことない。いつ円高になっても大丈夫な態勢にしている」

 --久美子氏と経営方針の調整はできなかったのか。娘への思いは。

 勝久氏「何を言っても聞き入れられなかった。社員が一番よく知っている。本来は親子が理解しあえなくてはいけない。(株主提案まで)時間がかかったのは事実。仲良くやっていきたいし、今朝の取締役会まで何とかならないか、努力した。本来は私からこういうことはいいたくないし、非常に残念」

 --今後の親子の間柄は。久美子氏の処遇については

 勝久氏「会社への復帰は無理だ。社員がこれだけ参加している。社員は裏切れない。ただ、親子だから何らかのことはできる。今日が始まり。子供とは(親子の関係は)修復できるが、社員とは(信頼関係を失うと)修復できない。私は社員に賭けた」

 報道陣の質問は終わらない。

 --久美子さんを社長に選んだのは勝久会長だが

 勝久氏「娘は、私のやることの半分は反対してきた。反対するのは会社のことがよくわかっているからだと思っていた。しかし、それが間違っていた。社長に選んだことが私の唯一の失敗だ。それ以外は私は失敗していない。借りたもの(融資金)も約束通りに返したし、約束よりも前に返してくれといわれれば、それにも応じてきた。かつてはボウリング場、駅前の量販店に大塚家具のショールームを出すことでオーナーに喜んでもらえた。経営者としては失敗はなかったが、親としては(久美子氏を社長にして)間違った。残念だ」

 --1月13日の取締役会で勝久氏の会長解任が決議されたが、そこにいたったのは

 勝久氏「三女の旦那の取締役の佐野(春生)氏が解任に賛成に回ったからだ。決議は4対3だったので、佐野の1票で、解任となった。三女の家庭は目をかけてきたのになぜ(勝久氏側に)反対したのかわからない。クーデターだと思っているが、社員はテロだといっている」

 大塚勝之専務「身内に裏切られた」

 --久美子社長は家具の手軽さを求めている。家具は使い捨ての風潮もある

 勝久氏「私は百貨店と同等のお客さまを求めてきた。高級品をお客さまに理解して買ってもらってきた。悪いたとえになるかもしれないが、ニトリやイケアを意識するなと社員にいってきた。家具の使い捨ての風潮は間違っている。親子三代にわたってつかってよさがわかる100年ブランドの商品を作っている」

 会見は終盤に差し掛かった。

 --現経営陣が配当予想の引き上げを発表したが

 勝久氏「今回の配当は問題だ。株主としてはありがたいが、検討したらいい。立場上、業績が悪ければダメだ。赤字で配当するのは問題。配当はいいが、こちらには責任がある」

 --創業家の問題や次の後継者については

 勝久氏「社内にいっぱい候補者はいる。いるのに外部から連れてくるのが問題だ」

 --なぜだめか

 勝久氏「それは私の間違い。できると思っていた。私は個人と会社は分ける。同族といわれないようにしてきた。ジャスダックで一番古い会社。私はいつ社長をやめさせられるかわからないという思いで頑張ってきた。任命責任は会長にある。私はワンマンで何人もクビにしたと言われるがそれはない」

 --現経営陣が新しい中期経営計画を発表したが

 勝久氏「(中期計画は)外部の人に作ってもらったのではないか。間違った協力者がいるのではないかと考えている」

ランキング