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【株主総会・詳報】NTTドコモ(上)「何をしているのか」…株価停滞、減益で経営陣に詰問続く
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NTTドコモが18日開催した株主総会。会場のホテルニューオータニ(東京都千代田区)には、午前10時の開会から午後0時8分の閉会までに4070人の株主が集まった。2015年3月期決算では、営業利益が前期比22%減の6390億円と15年ぶりの低水準に落ち込み、ソフトバンクの国内通信部門に初めてリードを許すという苦戦を演じただけに、株主からの質問にも株価の好転策を問いただす厳しい声が目立ち、加藤薫社長らが今後の成長ビジョンを丁寧に説明しながら理解を求めていた。
今期以降の「重点施策」について、加藤社長は「『競争』から『協創』へ」とする方針をアピールした。
説明では、ネットワークの更なる高速化に向け、プレミアム4Gの拡充や5Gの技術開発を進めることで通信料の増収を図る従来路線に加え、コンビニエンスストア大手ローソンなどと展開する共通ポイントサービスや、「自然対話クラウド」を提供してタカラトミーと共同開発したホビーロボット「オハナス」など新規の取り組みを例に挙げ、「ビジネスアセットの強化と活用を進めていく。パートナー企業とともに『社会価値の協創』に努めたい」と強調した。
その上で、利益確保に向けたコスト削減を強め、今期は営業利益6800億円を確保し、株主配当は一株当たり70円と、前期より5円増配する方針を示した。
質疑応答の主なやり取りは、次の通り。
--毎年発言しているが、昔はドコモの株価はすごかった。今はなにをやっているのか。経営トップとして、利益をどうやって生み出していく考えか、説明を求める。
加藤社長 「新しいビジョンをもって企業価値の向上に邁進(まいしん)したい。従来のサービスは「自前主義」が強かったが、「+d(プラスd)」の概念で、さまざまなパートナーとコラボして、あたらしいサービスを創造をしたい。「ドコモ、新しいことやるね!」ということで評価され、株価が上がることが望ましいと」
--2期連続で最終利益が落ちている。「iPhone」の導入遅れが象徴するように、消費者ニーズへの対応が遅れがちではないか。人口減少と高齢化による消耗戦の中で、どう手を打つのか?
坂井義清副社長 「確かに、人口が減少する中で、携帯契約が増える形での増益は難しくなってきた。一方でIoT(モノのインターネット)、あらゆるモノがネットとつながるという形で、サービスを高度化することで成長を図れると考えている。パートナー企業とともに新しいサービスを創る「+d」の取り組みが一つの答えではないかと思う。医療、農業…さまざまな産業とケータイが結びつくことで、必ず成長できる。その方向を目指したい」
加藤社長 「市場が飽和し、顧客の奪い合いとなっている側面もある。たとえば昨年2~3月は『キャッシュバック合戦』になった。その中で、長期ユーザーの方からは『契約先をコロコロ変える客が優遇されるのはなぜだ』とのお叱りを頂き、キャッシュバック合戦は止めた。また、長期ユーザーに還元するための新料金プラン(通話料定額プラン)を6月に始めた。『色々なことが遅れ気味だ』との指摘、確かにiPhone導入はそうだったが、新料金プランは業界の先陣を切って、多くのお客さまが加入された。長期ユーザーに還元する方向へと足を踏み出したところだ」
--「最先端のサービスを目指す」とのことだが、株主としては、それが利益にいつ貢献するかが重要だ。ボリュームゾーンも取って利益を拡大してもらわなければ困る。
吉沢和弘副社長 「第5世代(5G)のネットワーク開発も進めている。先頭集団として引っ張っていくつもりだが、それが意味するのは、ブロードバンド市場で映像やSNSなど多くのサービスが生まれ、トラフィックが増加している、そこにはビジネスの源泉があり、技術の先端を走っていく必要があるということ」
「もちろん利益を出していくことを重視している。『dマーケット』など多くのサービスを出しているが、スマートライフ領域では1000億円以上の売り上げを目指している。短期的・長期的に目標を定めてしっかりやっているのでご理解を頂きたい」
加藤社長 「検索も配信サービスも『サクサク動くネットワーク』を提供していかなくてはいけない。パケット通信の総量は1年に5割のペースで増えている。技術革新と、ネットワークをさらに充実させる努力は不可欠だ。それがさらに新しいサービス、通信需要を生み出すという好循環、われわれのビジネスを拡大するという方向に持っていくことが必要だ」
(続く)