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【さかもと未明のおしゃれは男のマナー】礼服(5)
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イラスト=さかもと未明 ■ディレクターズスーツ着ましょ
さて、前回(6月26日付)は「BLACK TIE」の装いとして、タキシードの装いを勉強しました。夜の「準礼装」というやつですね。ということは、「昼の準礼装」もあるわけで…。そう、それがディレクターズスーツなのです。
◆式典などへの準礼装
でもこのディレクターズスーツ、現在の日本では結婚式などでも、着るにふさわしいとされるのは、新婦の父とか親族のみとされちゃっています。それって変だと思うんですよね。だって、ダークスーツより格式の高い「準礼装」として、式典などへの参加の時は着用すべきものなんです。
だから、みんなもっと普通に、ダークスーツよりアップグレードなフォーマルとして着ましょうよ!! 日本の昼間の結婚式で、参列者がみんなディレクターズスーツ、新郎新婦の両親はさらに格上のモーニング、なんていう日も近いと私は思うのですけどね。
◆コールズボンが要
さて具体的な装いです。まず慶事からですが、ダークスーツとして着る黒やダークグレー、深いネイビーなどの上着、おそろいもしくはグレー、アイボリーのベストにコールズボンという縞(しま)のパンツを合わせます。パンツの裾はシングルのみ。このコールズボンにするだけで、格上に見えるから不思議!! 逆に言えばこれを追加すればあとは小物のみでよりフォーマルな場に出られるということ。
ジャケットはダークスーツのセオリー通り、ダブルでもシングルでもいいですが、ノーベントが基本とされます。シャツはレギュラーかウイングカラーが基本。でも、大げさになりすぎるのがお嫌ならレギュラーをおすすめしますし、いまどきはセミワイドでもいいんです!! だってレギュラーカラー、あんまり売ってないですもの。
袖口はダブルカフスかシングルカフス。コンパーチブルももちろんOK。お祝い事ならシルバーや金を台にした白蝶貝やパールのカフリンクスをします。ネクタイは白黒の縞、シルバー、あるいはアスコットタイ。
これに白黒の縞のサスペンダーや靴下をはくのが正式とされていますが、日本で白黒の縞の靴下見たことないですね。そこは薄手の黒の靴下でもいいのではないでしょうか。手袋は必需品です。靴はやはりいつもの黒のストレートチップが万能に使いまわせるかと存じます。
お葬式の時はモーニングと並ぶ喪主の服装として通用します。タイは当然黒となり、ベストも上着とおそろいの色がいいと思います。カフスも勿論シルバーの台のみ。時計もシルバーにかえます。ポケットチーフはしても構いませんが、TVフォールドなど、慎(つつ)ましやかな形でさしてください。
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経済のグローバル化には日本の企業戦士たちのファッションセンス向上も必要不可欠の要素。そこで多彩な才能で活躍するさかもと未明さんが、ベスト、シャツ…とアイテムごとに月2回(随時掲載)、ビジネスマンのファッションコーディネートを指南します。連載終了時にはあなたも立派なダンディーに変身!?
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【プロフィル】さかもと未明
さかもと・みめい 漫画、エッセイ、ルポルタージュ、小説、評論の執筆、テレビのコメンテーターなど活躍の場を広げるが、2006年に膠原病を発症。難病認定をきっかけに歌手活動を開始。書籍に「マンガ・ローマ帝国」(講談社)、「神様は、いじわる」(文藝春秋)、最新刊は「まさか発達障害だったなんて」(PHP新書)、CDに「La magie de l’amour」「青い伝説」(24JAZZ JAPAN)などがある。横浜市生まれ。