加熱式たばこ「iQOS」 やめるか否か…喫煙者に第3の選択肢
更新同社の研究によると、iQOSの蒸気に含まれる有害性成分は、標準的なたばこと比較してアンモニアが50%、発がん性物質のホルムアルデヒドが10%、赤血球の働きを低下させる一酸化炭素が5%まで抑制されている。
iQOS内部の板がたばこを熱する温度は約300度だ。激しい燃焼が起こらないので毒性物質の発生が抑えられているのだという。
一方、ニコチンの量はたばことほとんど変わらない。喫煙の満足感を残して毒性物質の量を減らしているのだ。健康を大きく損なう恐れのあるものを断ち、代用品でリスク低減を図る「ハームリダクション」という考えがもとになっている。
受動喫煙防止にも
今年7月に金沢市で開催された日本毒性学会学術年会で、フィリップモリス社の研究者、マニュエル・C・ピーチュ博士は「iQOSが飲食店や居住空間での受動喫煙のリスクを下げる可能性がある」と研究結果を発表した。飲食店でiQOSを使用したときに増加する室内のニコチンの量は、紙巻きたばこ喫煙で増加する量の2%以下だったという。
iQOS用に喫煙スペースが分かれていた理由もここにある。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙のない環境づくりが求められる中、注目を集めそうだ。
ピーチュ博士は「(近距離通信規格の)ブルートゥースに対応した新モデルを検討している」と明かした。実現すれば、iQOSの使用履歴をスマートフォンなどのデジタル機器に自動記録し、健康管理に役立てることもできるようになる。
iQOSは“体に良いたばこ”ではないが、たばこに向けられる「百害あって一利なし」の印象を変える可能性を秘めていそうだ。



