日鉄住金建材、津波避難タワーの販売伸ばす “先兵”として役割期待
更新新日鉄住金傘下で建設用鋼管(パイプ)などを手掛ける日鉄住金建材(東京都江東区)が、津波発生時に活用する避難タワーの販売を伸ばしている。仙台港に隣接する仙台製造所(仙台市宮城野区)が、東日本大震災で津波被害を受けた経験を基に開発した。日鉄住金建材は防災分野の市場開拓に力を入れており、避難タワーに“先兵”としての役割を期待する。
「東日本大震災レベルの大津波にも対応できる」。仙台製造所の阿部研仁所長は、事務棟の隣にある3階建ての避難タワーを見上げながら胸を張った。
セーフガードタワーと名付けられた避難タワーは高さ11メートル。3階と屋上だけで200人を収容できる。同工場で製造したパイプで強度を高め、1階部分に壁がなく、波が通り抜けやすいなど設計でも工夫した。
震災1年後に建設。避難場所として水や食糧を常備しているほか、ショールームとしても活用しており、これまで国内外から延べ2000人が見学に訪れた。同時に外販も始め、静岡県袋井市など20カ所に納めている。
