こんな場所でお客は来るの? 悲願だった新ホテルは奈良の観光を変えるか
更新年間約3500万人の観光客が訪れ、世界遺産の数は全国1位、国宝や重要文化財の数は全国3位-と、国内有数の観光地である奈良。だが、実は宿泊施設の客室数は9205室で、全国ワースト1位(26年)。延べ宿泊客数も約262万人で徳島県に次ぐ全国ワースト2位(27年)だ。観光庁によると、同年の奈良の外国人宿泊者数は約28万人で、京都の約480万人の1割にも満たない。
日帰りで観光を終え、大阪や京都に泊まりに行く-。奈良ではこうした「日帰り観光」が定番となっており、土日の昼間には観光客でごったがえす近鉄奈良駅前も、夜になれば閑散。駅周辺で深夜まで営業している飲食店の数も、大阪や京都には遠く及ばないのが実情だ。
それだけに、地元の観光業界からは期待と歓迎の声が聞かれる。県内のホテルや旅館172施設が加盟している県旅館・ホテル生活衛生同業組合の吉川義博専務理事は、「県内での競争は激しくなるが、ともに誘客活動をして奈良全体の魅力発信につなげたい」と期待感を示す。



