企業価値急落…シャープ身売りの戦犯は誰だ? “演出過剰”額面通り受け取れず
更新ただ、これら2人の発言を額面通り受け取ることは難しい。それはシャープが鴻海の買収を受け入れると決議して以降の1カ月余りの交渉をみても力関係が明らかだからだ。
シャープが取引先と訴訟になり負けた場合などに発生する偶発的な財務リスクを理由に契約を保留し、足元の業績悪化とともに企業価値の劣化の可能性を理由に条件変更を迫った。
ライバルの革新機構が撤退し、鴻海の出資がなければ退路を断たれる弱みからシャープは次々と譲歩。出資額は4890億円から3888億円に引き下げられた。議決権ベースで66%を握られる構図は変わらず、1株あたりの株価も118円から88円に値切られた。
シャープの問題で出資が実現しなかった場合、鴻海が液晶や有機ELなどディスプレー事業を「公正な価格で購入できる」とする条項を盛り込み、事業の撤退・売却を迫る「議決権の行使、その他の影響力の行使は行なわない」とする記述は削除された。



