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不況の造船、生き残りへ再編 三菱重は協議、川崎重撤退も 中韓勢も苦戦

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不況の造船、生き残りへ再編 三菱重は協議、川崎重撤退も 中韓勢も苦戦

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 業界を取り巻く環境も厳しい。日本造船工業会によると、08年のリーマン・ショック後、世界の建造量は11年の1億184万5000総トンをピークに低迷している。中国の経済成長を当て込んで00年代に鉄鉱石などを運ぶ船が大量発注され、その反動が新規受注に影を落としている。同工業会は「今は世界中で船が余っている」と説明する。

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 閉鎖も議論対象に

 提携協議を明らかにした三菱重工自身、事業の改革が急務だ。同社は大型客船事業で16年3月期までの3年間に累計2300億円を超える特別損失を計上。このため大型客船に関しては新規受注を凍結する方向で検討している。10月18日に対応を公表する予定だが、受注が減る中、造船全体の見直しにも踏み込まざるを得ないのが実情だ。

 三菱重工は、今治造船など3社と技術や受注活動での提携を視野に協議したい考え。船の設計などを手掛ける本社部門を分社化し、今治造船などが受注した船の設計を請け負うといった構造改革の道も探る。大手造船会社の関係者は「今は船の需要に対し建造能力が過剰な状態だ。仮に再編するとなれば、造船所の閉鎖なども議論せざるを得ない」との見方を示す。

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