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万年4位から業績トップに下克上 伊藤忠商事社長が守った「社員への報酬」

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万年4位から業績トップに下克上 伊藤忠商事社長が守った「社員への報酬」

配信元:PRESIDENT Online 更新

 1回トップを取ったくらいですからまだ慢心するには至りませんが、この地位を盤石のものにしていかなければなりません。会社がダメになるときは、必ず慢心や驕りがあるときです。これからも社員全員で名実ともに1位を堅持していくのだ、という気持ちを強くしていく必要があるでしょう。

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 こうやって4位から3位、2位、1位へと駆け上がるときに私が社員に対して守ったのが、「一生懸命頑張ったらきちんと報いる」ということです。

 住友商事に勝てば、社員の年収も上回るようにする。2強になれば三菱商事と同じくらいの給料にする。そう組合と約束しました。

 ただし、うちのほうが社員は少ないから「2倍働け」と言いました。結局、今、三菱商事より社員の平均年齢は1歳若くても、平均年収は上回っています。

 言い方は悪いですが、やはり飴と鞭です。飴ばかりではダレてしまっていけません。かといって鞭ばかりでも人は動かない。

 実際に給料を上げることで、社員には約束してくれたことは守ってくれるという会社への信頼感が生まれるわけです。信頼が生まれたことによって、会社が一枚岩となって目標達成のために全力で動けるようになりました。

いい体験をしていない人間ほど、建前論に陥る

 組織の中には、建前論ばかり言う上司もいます。精神論で、伊藤忠商事の社員はこうあるべきだと。しかし、言っていることの筋が通らなければ、部下の腹には入ってきません。

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