【酒豪女子が行く】(4)売ってはいけないレベル… 地ビールブーム崩壊の裏側 どん底まで落ちた社長を救った人物
更新さらに書店で偶然知った、市場競争を勝ち抜く「ランチェスター戦略」の本を読み漁った。英国の技術者だったフレデリック・ランチェスターが、自動車製造販売の事業での経験や航空工学の研究をもとに1914年に発表した数理モデルで、当初は軍事分析に使われたが、その後、マーケティングや営業戦略に活用され、今でも経営者らに信奉者が多い。たとえば、市場の弱者が強者に打ち勝つためには、物量戦を避けて集中戦略をとる、差別化して陽動戦を活用する、といった理論だ。猛勉強した結果、なんと一年後には県内の大学で講義をするほどの「専門家」になっていた。
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だが、その目的はあくまでビール造りで捲土重来を期すため。「あらゆる勉強の中でもこの3つが特に役立ち、翌年には経営にも活きはじめました。これまで作ってきた商品とは一線を画し、勉強したことを詰め込んだ」。その成果が、伊勢神宮の参拝客向けに作った「神都麦酒」だ。それまでは市場が何を望んでいるかより、自分たちが造りたいビールで頭がいっぱいだったかもしれない。しかし、自分たちのこだわりを大事にしつつも、しっかり市場を調べ需要を踏まえたビール造りに取り組んだ。そうして誕生した神都麦酒は「当社の苦境を大いに救ってくれました」と振り返る。
元岡さんとの運命的な出会いをきっかけに、鈴木社長と伊勢角屋麦酒の復活劇が始まった。



