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【木下隆之のクルマ三昧】プロドライバー、レースがない日は何してる? 仕事内容や年収構成は?

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 ◆年間14日だけのオイシイ職業?

「な~んだ。意外と楽勝じゃん」

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 そう思った人もいるだろう。年間にたった14日しか真剣勝負をしていないのだから、オイシイ職業だと思われても仕方がない。

 プロ野球の野手は年間に143試合。レギュラー選手としてバッターボックスに1試合につき4打席立つとすると、年間合計572打席。仮に三球三振であっても、1716球の豪速球を迎え撃つのである。それを考えると、命を掛けるのが年間14日というのは少なすぎると思うかもしれないね。

 ただ、僕らからすれば、決して楽な職業ではないと思う。逆に考えれば、ビジネスチャンスが年間に14日しかないのである。たった14日の自己アピールの機会を100%成功させなければならない。そこでしくじれば、翌年の契約を逃すことになる。廃業だ。1716回のチャンスがあり3割のヒットで年棒がアップするプロ野球が、その意味では羨ましい。

 もっとも詳細にいうならば、ドライバーにとって生命線である瞬間的な速さが試されるのはレースウイークの予選である。そこで目の覚めるようなタイムを叩き出さねば、ドライバーとしてダメなレッテルを貼られる。しかもそのアタックチャンスは、土曜日の午後に与えられるたった1周だけなのだ。時間にしてわずか1分30秒ほどだ。そこでコンマ数秒遅れるだけで、その後の365日の生活が失われることもあるのである。ねっ、とても酷な仕事でしょ?

 職業記入欄の横にもし、年間の業務時間を記す項目があったら「14日」となる。それじゃあんまりだから、ついつい「自由業」だなんて名乗ってしまうのである。

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【木下隆之のクルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。

【プロフィル】木下隆之(きのした・たかゆき)

木下隆之(きのした・たかゆき)レーシングドライバー 自動車評論家

ブランドアドバイザー ドライビングディレクター

東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

このニュースのフォト

  • ドイツのニュルブルクリンク24時間レースでスタートを待つ木下氏のレクサスLFA
  • レース前の木下氏
  • トヨタの豊田章男社長たちと写真に収まる木下氏(中央のマシンの左隣)

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