【経済インサイド】誕生からわずか5年半、新日鉄住金が「日本製鉄」に社名変更するワケ
更新旧新日鉄は昭和45年の誕生以来、旧富士製鉄出身者と旧八幡製鉄出身者が交互に社長となるたすき掛け人事を続けた。能力人事を後回しにしてでもバランスにこだわるあたり、いかにも保守的な鉄鋼メーカーらしい。しかし、今回は、そんな従来思考をかなぐり捨てた。社名から「住金」の名称が消えることも躊躇(ちゅうちょ)しなかった。
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旧住金は、旧住友銀行(現三井住友銀行)、住友化学と並ぶ住友グループの中核で、「住友御三家」の一角。それほどの名門企業だけに、「住友」の名前が完全に消えることに旧住金出身者から反対の声も上がった。だが、平成26年4月には会長と社長を旧新日鉄出身者が占め、旧新日鉄側が主導する体制を固めた。今年3月に発表された6月下旬の新体制では、8人いる代表取締役から旧住金出身者が消えた。
このため、今回の社名変更は既定路線とみられていたようだ。世界で生き残るためには避けて通れない判断だったのかもしれない。
ある社員は断言する。
「世界的な競争にさらされている今、もはや内部優先の考え方は通用しない。社内の共通認識だ」(井田通人)
新日鉄住金 日本最大手の鉄鋼メーカーで、粗鋼生産量は国内首位、世界3位。官営八幡製鉄所の流れをくむ新日本製鉄と、住友グループの鉄鋼メーカーである住友金属工業が合併し、平成24年に誕生した。30年3月末現在の従業員数は9万3557人。30年3月期の売上高は5兆6686億円、最終利益は1950億円(いずれも連結)。
