【高論卓説】ライザップ、「老青」相補えるか 立て直しの成否果たして
更新年長者は若手に、うるさいと思われかねないことも言う。先日、ミサワホームの創業者、三澤千代治氏から、昔、伊藤忠商事元社長の2代目伊藤忠兵衛氏から訓戒を受けた話を聞いた。1971年に当時最年少の33歳で株式を上場して、得意の絶頂にあるとき、面識のない伊藤忠兵衛氏から呼ばれた。何事かと思ったら、ネズミ退治を競う「4匹の猫」の話を聞かされた。一番若い猫は、どんなネズミも一発で捕まえると自慢した。2番目は、鳴くだけでネズミを撃退する。3番目は縁側で寝ているだけで、ネズミは寄り付かなくなる。一番年寄りの猫は「生まれてから今まで、ネズミなんか見たこともない」と言う。
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伊藤忠兵衛氏は上には上がいるのだからおごってはいかんと三澤氏を諭したのである。この話は、9月に出版した自著の『三澤千代治の「遺言」』にも載っている。三澤氏は直ちに姿勢を正して自分の未熟さを謝した。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が昔、まだ売り出し中だったころ、銀行を格付けして条件のよいところとの取引を増やそうとして、銀行との関係が緊張したことがある。
その時、当時アサヒビールの社長だった樋口廣太郎氏が、そんなことをするものではないと孫氏に助言した。これを孫氏もよしとして丸く収まった。
攻守そろった経営は、老と青がうまく相補えば可能になる。
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【プロフィル】森一夫
もり・かずお ジャーナリスト 早大卒。1972年日本経済新聞社入社。産業部編集委員、論説副主幹、特別編集委員などを経て2013年退職。著書は『日本の経営』(日本経済新聞社)、『中村邦夫「幸之助神話」を壊した男』(同)など。
