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進まぬ日本のキャッシュレス化 現金主義脱皮に課題山積

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進まぬ日本のキャッシュレス化 現金主義脱皮に課題山積

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 一方で、訪日外国人客(インバウンド)需要の取り込みにキャッシュレス化は欠かせない。経産省によると、現金しか使えないことに不満を抱く訪日客は4割に上る。仮に2020年に訪日客が4千万人になった場合、現状のままでは約1.2兆円の機会損失を招くとの試算もある。

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 キャッシュレス化には、決済のできる環境整備が必要だが、経産省の調査では都内の飲食店約13万店のうちクレジットカードが使えるのは約3分の1にすぎないことが判明している。

 店側がカード決済を導入しない大きな理由が重い手数料負担だ。「もうけが目減りする」。大阪市内の40代飲食店経営者は導入をためらう理由を明かす。

 手数料率は、店ごとに異なり、代金の3%程度がカード会社へ支払われる仕組み。規模や業態により5%超の手数料が取られる例もある。

 電子マネーが乱立し、店によって使えないケースも多く、消費者に負担を強いる結果、キャッシュレス普及を阻んでいるとの指摘もある。

 こうした中、政府は来年10月の消費税引き上げに合わせ、景気対策としてキャッシュレス決済を行った消費者にポイントで還元する方針で、今後、カード会社に手数料の引き下げを要請するとみられる。

 北村教授は「将来的には緩やかにキャッシュレス化に向かうだろう」と予測した上で、「安全性の確保や、費用面を含めた負担が消費者や事業者にかからない仕組みをまず構築すべきだ」と話している。

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