ゴーン事件を聞く

(中)日産、対等な持ち株へチャンス

 販売モメンタム低下

 --今後のシナリオは

 「アライアンスを否定することはあり得ない。開発や調達などの機能が統合されており、解消すればコストの方が高くつくからだ。お互いにもう一つ何か契約を交わして落ち着くまで現状維持を続けることはあり得る。ただ、日産にはアライアンスの仕組みを見直す良いチャンスで、対等な持ち株比率に見直すことも可能だ。ルノーも支配できないのなら株を売却して資金を得る選択肢もあり得る」

 --日産への影響は

 「ブランドへの不信感が生じているので販売のモメンタムは落ちると思う。将来計画が定まらないと投資ができないので開発計画も遅れるだろう。早期に信頼関係を取り戻してアライアンスを機能させないと、弱体化するリスクが高い」

 --西川(さいかわ)広人社長のリーダーシップで乗り切れるか

 「今は日産を守るという姿勢に対し、従業員、取引先、株主らの評価は高く、求心力は強い。ただ、彼自身が今後経営責任を追及される中でどこまで現状を維持できるか予想しづらい」

【プロフィル】中西孝樹氏

 なかにし・たかき 米オレゴン大卒。山一証券、JPモルガン証券東京支店株式調査部長、メリルリンチ日本証券などを経て、2013年から現職。東京都出身。57歳。

■【ゴーン事件を聞く】(上)「少数株主が受益者」徹底を を読む

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング