やはり「Mに始まりMに終わる」 刺激的なBMW・M2コンペティション
だが、ひとたびアクセルペダルを踏み込むと、極低回転域からトルクが溢れ出す。さあ走れと急かされるというわけ。
回転系の針が2500rpm付近に差し掛かるやいなや、M2コンペティションは本気モードに突入する。太いリアタイヤにたっぷりと荷重が加わる感覚があり、路面を激しく蹴散らすのである。
ツーリングカーと呼ぶ気になれず
前後重量配分は、直列6気筒ツインターボを搭載するためにややフロントヘビーの52対48である。硬く締め上げられた足が強引にフロントノーズを抑え込む。
M2コンペティションをツーリングカーと呼ぶ気にはなれない。たまたま登録ナンバーを取得してしまっただけのレーシングカーだと解釈しなければ、これほどまでに刺激に満ち溢れていることの説明がつかないのだ。
それでも冒頭のように、ツーリングカーはMに始まりMに終わるのかもしれないと感じるのだから、これはもう魔力としか言いようがない。
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【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちらから。
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【プロフィール】木下隆之(きのした・たかゆき)
レーシングドライバー 自動車評論家
ブランドアドバイザー ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。