こんなことをやり切ってしまうのが、「孫正義」という人物の凄さなのでしょう。100億円を約2週間という短期間で燃やしつくし、さらに矢継ぎ早に第2弾の100億円還元キャンペーンを実施している孫さん率いる決済サービスのPayPayの戦い方は、圧倒的営業力や資金力のない会社では、到底、太刀打ちができないのではないでしょうか。「PayPayこそが新しい決済インフラのスタンダードになるんだ!」という「気迫」というか「怖さ」さえ感じられます。
楽天ペイ、LINE Payの強み
そして僕が個人的見解で挙げた3強のうちの2つ目は楽天ペイです。ここは、ご存知の通り、楽天市場で得た会員ですでに巨大な経済圏を築いている。楽天の会員数は、約9870万人(2018年6月時点)という驚くべき数字ですから、この時点で圧倒的なアドバンテージを誇っているわけです。
同じくLINE Payも、圧倒的なユーザー数を誇るコミュニケーションツールLINEをベースにした決済サービスです。日本最大のSNSであるLINEは、月間アクティブユーザー数が、なんと7800万人(2018年10月時点)にも登ります。決済事業における競争優位性も圧倒的に高いわけです。LINEマンガ、LINEデリマ、LINEほけん、そして私が率いるFOLIOとタッグを組んだLINEスマート投資など、LINE上から様々な商品やサービスを購入することがどんどん拡大している現状、LINE Payで決済することはごく自然なことになっていくと思います。
次回も決済アプリの話を続けます。
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【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら