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ANAきょう巨大機投入、JAL特別機披露 ハワイ線、大手バトル火蓋
全日空の総2階建て旅客機エアバスA380が24日、成田-ホノルル線にデビューする。「世界最大」の機体の投入で、ハワイ路線のシェア逆転をもくろむ全日空に対し、日航は機内食の刷新や最新技術を活用した宣伝活動など対抗策を次々繰り出す。航空大手同士の争いが活発化している。
来年の逆転目指す
「圧倒的な存在感」。ANAホールディングスの片野坂真哉社長は、座席数520のA380をこう表現する。ハワイで神聖な存在とされるウミガメが大きく描かれた機体を成田空港で見た他の航空会社の関係者は「機影が見えただけで明らかに違う。ゆったりと優雅な飛行に見える」と迫力を語る。
ハワイ州観光局によると、2018年に航空機でハワイを訪れた日本人は157万人。全日空のまとめでは、日本とハワイの玄関口、ホノルルを結ぶ路線のシェアは、日航、ハワイアン航空、全日空の順となっている。
全日空は「20年には逆転する」と意気込む。A380の520席は現行機種のボーイング787に比べ2倍。複数の席にまたがって寝転ぶこともできる「カウチシート」、着替えや授乳に使える多目的室、飲み物や軽食を提供するバーラウンジなど乗客目線に立った設備をそろえた。
VRで「旅の試着」
対する日航。関係者は「全日空が大々的にやっているので、こちらもやらないと」と漏らす。ハワイ線は1954年、国際線初就航の路線となった「特別な存在」。85年から特別協賛を始めたホノルルマラソンは「ハワイ=JAL」のシンボルと位置付け、2010年の経営破綻の際も継続した。全日空のA380のデビューが直前になった22日には、ボーイング787に人気グループ「嵐」のメンバーが描かれた特別機を成田空港で披露した。