リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

安田不動産・安田弘顧問に聞く(2-1)

 「一方で、『世の中に凡庸鈍感な青年が大業を成し遂げる例をよく見るが、これはなぜか。この青年たちは往々にして忍耐力、自信力に富み、自分の目的に対し一心不乱、熱意を持っている』。不器用であちこち行くことができず、選んだ道を真っすぐ進むだけなので出世する。相撲の力士、プロゴルファー、税理士、芸術家などは一例で、その道一筋が成功に導く。自分は実力を持っていないと悲観している青年たちを勇気づける言葉でもある」

 --人生は難しい

 「天狗(てんぐ)になることが一番危険で、得意になっては駄目だ。高転びに転んでおかしくなる。天才が必ずしも出世するわけではなく、ひっくり返って失敗した天才はごまんといる。人間は弱いので謙虚が一番。謙虚を捨てるのは簡単だが、謙虚が生きていく上の根幹をなす。善次郎がそうだったように、地道に少しずつよちよち歩きしながら、その道を究めることこそ成功につながる」

 若者よ急がば回れ

 --今の若者をどう見ているのか

 「東京の街頭へ出て、行き交う人たちを眺めていると、頭が先に出て足が後から付いていくように、つんのめって歩いている人が多い。また横断歩道が赤信号に変わっても走って渡ろうとしている。自動車や自転車に自分の命をさらしているようなもので、何を急いでいるのか分からない。ママチャリと称するが、子供2人を自転車の前後に乗せて、ママがものすごいスピードですり抜けていく。わが子の命は心配ないのか。急がば回れというが、これでは人間の土台になるべき倫理・道徳、自由の中で持つべき規律などを考える時間が持てない。何を焦っているのか、取り残されてもいい。そろばんをはじく前にいったんペースを落として、一歩一歩地道に進むことが大切だ」

 --社会人経験も豊富だが、今のサラリーマンについて

 「土台をしっかり持つこと。土台がないので、ふわふわしていて話を聞いても面白くない。独り善がりで自己中心的。自由な世の中とはいえ、やがて自分にマイナスとなって跳ね返ってくる。相手の立場に立ち、接点を考えることが土台につながる。若い人たちは自分で考える力を持つと同時に聞く耳を持つことが必要だ」

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