試乗スケッチ

外観や室内の質感アップ、でも走り味は… メルセデスの新型Bクラス

木下隆之
木下隆之

 だが、低回転トルクの細さや、それを補おうとしたが余り低回転レスポンスの物足りなさはなくはない。小排気量ターボの哀しさは完璧には取り除かれてはいなかった。

 絶対的なトルクに不足はないが、フル乗車でのストップ&ゴーでは、ストレスが募りそうである。ダウンサイジングのデメリットを補おうとした痕跡は認めるが、まだ充分ではなかったということ。

 音や振動にも雑味がある。室内の質感はとても高いのに、走り出すとちょっとガッカリ…なところがなくはなかった。メルセデスの高級車は圧倒的に優れていながら、コンパクトモデルになると廉価版的な質感になるのは相変わらず残念に思えた。

 ともあれ、スポーティーな印象が高まり、プレミアム度が増したことは朗報だ。アーバンライフを心地よく演出する良きパートナーとしての資質が高まったことは確かだろう。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

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