新たなサブスク形式の試金石
定額ゲーム配信サービス、いわゆるサブスクリプション形式そのものは、以前から存在する。例えばマイクロソフトの「エックスボックス・ゲーム・パス」は、月々10ドル程度でXbox向けゲームを無制限でプレイできるサービスだ。ゲームソフトウェア大手のEAやユービーアイソフトも、独自のサブスクリプションサービスを提供している。ただしこれらのサービスは、専用ゲーム機やパソコンを対象としたもので、モバイルゲーム向けではない。つまりゲームを本格的に楽しむハードコアゲーマーが対象なのだ。
モバイルゲームを楽しむ人々の多くは、気に入ったゲームアプリに時々課金する程度で、それほど多くのお金を費やさない。アップルのアプストアで人気のあるゲームのほとんどが、無料で遊べるものばかりだ(アプリ内課金はある)。
それだけに、アプリ内課金も広告もないアップルの新サブスクリブション型サービス「アップル・アーケード」が、どれだけユーザーを獲得できるかは注目に値する。定額音楽配信サービス「アップル・ミュージック」では順調に有料会員を増やし、新聞や雑誌などが定額で読み放題となる「アップル・ニュース・プラス」、動画配信サービス「アップルTVプラス」と次々に新たな定額サービスを打ち出しているアップルは、果たしてモバイルゲーム市場で成功を収めることができるだろうか。(岡真由美/5時から作家塾(R))