技術力武器に世界需要を取り込む Jパワー・渡部肇史社長
海外人財と交流も
--大間原発の進捗(しんちょく)状況は
「原発事故を受けて策定された新規制基準に対応して、原子力規制委員会の安全審査を受けている。ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)を全炉心に使うことができる大間原発は、原子燃料サイクルを推進する日本のエネルギー政策において重要な役割を担う。難しい仕事だが、日本の原発の将来に向けても必要と考えている。一日でも早く審査の合格を目指し、本格工事の再開に取り組みたい。サステナブル(持続可能)な電源構成に原発は必要であると考える」
--Jパワーの将来像をどう描く
「得意とする発電事業の技術力を生かして将来を創り上げていく。世界的な電力市場の自由化は、われわれのような卸売り事業者には追い風で、市場は拡大していく。国内市場は省エネや競争環境が進展し飽和・成熟しており、海外のウエートを高めていくことになる。電力需要は経済成長と比例するので、今後も新興国を中心に新しいプロジェクトは出てくる。言語や法制度の違いなど仕事の仕方は相手国によって異なるが、海外の成長果実を確実に日本に還元したい」
「“人財”も国境がなくなり、国内でも海外でも仕事ができる人財づくりが重要になってくる。人財の海外シフトもある程度意識しており、業務にとどまらず研修や留学などを通じて海外の人財と交流できる機会を用意しておく必要も出てくる」
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気分転換は映画、人生の縮図を見ることができる
--国際人材の育成を課題に挙げた。社長自身も海外経験を持つ
「1988年から2年間、米マサチューセッツ工科大エネルギー政策研究センターに客員研究員として駐在した。発電事業の規制緩和が起きていた時期で、独立系の発電事業者(IPP)が誕生した。日本でも発電部門から規制が緩和されると予想し議論していたので、米国の有識者らにインタビューしたり、関連する書籍を読んだりした。IPPは自ら保有する発電設備でつくった電力を電力会社に売る卸売り事業者で、われわれと変わらない。私なりにイメージが固まり、帰国後のIPP論議に役立ったことを覚えている」
--趣味は
「土・日曜日のいずれかは妻と一緒に映画館に行く。最近は同世代の夫婦が映画鑑賞に来ていて混んでいる。映画は人生の縮図を見ることができるので面白い。好きな映画を1本挙げるとすれば、(キューバ革命の指導者、革命家)チェ・ゲバラの若き日を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』。裕福な医学生が同級生と2人で、バイクで南米大陸を縦断しながら、貧しい人たちの人生を目の当たりにして心が変わっていく。その同級生が監修して製作した作品で、みずみずしく魅力的だ」