高論卓説
世界の潮流は「金融から財政」へ 金利上昇懸念低く環境整う日本
その一方、政府は18年度中に52.5兆円の前倒し債を発行し、19年度予算に充当できるようにしてきた。その「貯金」があるため、仮に5兆~10兆円規模の補正予算を編成しても、新規に赤字国債を発行せずに済む。
日銀が実行中の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策(YCC)で長期金利はマイナスに沈んでおり、政府はその効果を十二分に享受できる。理想的なポリシーミックスを展開できる環境にある。
19年度補正予算を「超大型」に編成しても、円債市場が「ウォーニング」を発して長期金利が急上昇する懸念はほとんどない。問題は、無駄な投資が生まれないかという懸念だ。そこをクリアできれば、日本はIMFが求める「財政シフト」の姿を世界で最も早く打ち出す国になるかもしれない。
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【プロフィル】田巻一彦
たまき・かずひこ ロイターシニアエディター。慶大卒。毎日新聞経済部を経て、ロイター副編集長、ニュースエディターなどを歴任。東京都出身。