ニュースを疑え
地球温暖化、イースター島の悲劇を繰り返すな 大学教授が鳴らす警鐘
大量消費、あと数十年
--グリーンランドで数百年生き滅亡したノルウェー人社会を「文明崩壊」に描いています。伝統に固執し変化に適応できなかったのですね。教訓はありますか
「寒冷な気候で牧畜を続けることができなかったのに、彼らはやり方を変えようとしなかったのです。再び日本の例ですが、日本は明治になると一転して海外から資源を獲得する方針にかわった。ところがいま世界は資源が枯渇しはじめているのに、その方針を調整しようとしていない。いま行うべきは獲得への固執ではなく、世界の資源管理を主導することです。日本だけを責めているのではありません。私の国はもっとひどい状況なのですから」
--社会の崩壊はピーク到達の後、急速に起きるとも指摘されていますね
「人口も消費レベルも大きく、資源を急速に枯渇させている状況だからです。いま世界は人口も資源消費も過去最大です。チェイニー元米副大統領は『米国的な生活は交渉不可だ』と言いましたが、それは不可能です。いまのような大量消費を続けられるのはせいぜいあと数十年。好むと好まざるとにかかわらず米国的な生活は変わる。それを可能にする十分な資源がないからです」
【プロフィル】ジャレド・ダイアモンド 1937年9月、米ボストン生まれ。カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)地理学部教授。ハーバード大卒。英ケンブリッジ大大学院で生理学博士号を取得。鳥類学や環境学、地理学と研究を広げニューギニアなどでフィールドワークを実施。地球上の地域で発展が異なった理由を解き明かした「銃・病原菌・鉄」(1997)でピュリツァー賞受賞。他の著書に「文明崩壊」「危機と人類」など。昨年12月、地球環境問題解決への貢献で旭硝子財団の「ブループラネット賞」を受賞し来日。