高論卓説

1年延期も厳しい東京五輪 国民疲弊で追加負担の賛成見通せず

 そこで、提案したいのは以下の通りだ。毎年、どの競技団体も世界選手権大会を開催している。来年の開催は困難であるかもしれないが、感染症の終息後行われる大会に「東京オリンピック記念」という冠をつけ、東京大会のメダルを授与すればいい。つまり、各競技の世界選手権を五輪の代替大会にするのだ。これならカネがかからない。

 1年延期は非現実的である。もし開催できれば、国民に勇気と活力を与えることができようが、新型コロナを退治できる保障がないかぎり、代替大会を視野に入れてもいい。

 代表選手は、各競技団体が決めるだろうし、世界一を競うのだから、アスリートにとっても何の不足もない。

 東京五輪・パラリンピックを「中止」させないための案の準備も必要である。大会を東京だけにこだわらず、世界中で行ってもいいではないか。五輪相もスポーツ庁長官も、声を出してはどうか。

【プロフィル】松浪健四郎

 まつなみ・けんしろう 日体大理事長。日体大を経て東ミシガン大留学。日大院博士課程単位取得。学生時代はレスリング選手として全日本学生、全米選手権などのタイトルを獲得。アフガニスタン国立カブール大講師。専大教授から衆院議員3期。外務政務官、文部科学副大臣を歴任。2011年から現職。韓国龍仁大名誉博士。博士。大阪府出身。

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