高論卓説

窮地の飲食店を救え デジタル陰性証明書使い時短解除提案

 5都府県で昨年12月に検査したが、東京都では陽性率が1.35%だった。約1400万人の都の人口から換算すると、約18万人の陽性者がいたと推計できる。同時期の東京都での陽性者の数は約5万人だったので、実際の陽性者は3.6倍の規模で存在していたことになる。

 この捕捉されていない陽性者の存在を把握しないまま、飲食店の時短やマスク着用などで対応しても、抜本的な解決にはつながらず、新型コロナのワクチンの普及までは流行の波が繰り返し到来する。

 正常な経済活動に戻れないまま、輸出依存の「一本足打法」を続けていると、日本経済の疲弊がさらに進み、内需が決定的な打撃を受ける事態を招くことになりかねない。

 そこで感染症の専門家が提唱している検査の拡大をさらに推し進め、希望する国民全員にPCR検査を安価で受けさせる仕組みを作り、陰性証明をデジタル化して「PCRパスポート」を交付するシステムの導入を提案したい。

 パスポートを店頭にあるチェッカーで確認し、安全な客だけを対象にできる飲食店への時短を解除すれば、事態は大きく転換するのではないか。

 現在のような一律の時短要請は、新型コロナの所在を確認しないままの対応であり、夏の浜辺のスイカ割りのイメージがつきまとう。PCRパスポートの導入には、実現には多くのハードルが存在するだろう。だが、国民に「厭戦(えんせん)気分」が広がり始めている今、菅義偉首相には新しい対応策にチャレンジしてほしい。

【プロフィル】田巻一彦

 たまき・かずひこ ロイターシニアエディター。慶大卒。毎日新聞経済部を経て、ロイター副編集長、ニュースエディターなどを歴任。東京都出身。

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