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おうち時間に「珠玉の一杯」 自宅で“本物のラーメン”味わえるサービス利用者急増

SankeiBiz編集部
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 新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの普及で「おうち時間」が増加したことを受け、国内最大級のラーメン通販サイト「宅麺.com」の会員数が1年間で倍増したことが分かった。実際のラーメン店のメニューを冷凍して自宅まで届けるサービスで、外食自粛ムードが漂う中、「お店のラーメン」を家庭で楽しみたいとの需要が高まっているようだ。

 自宅で食べる「本物のラーメン」

 「飲み会帰りに、締めのラーメンを一杯」。終電の時刻を気にしながら、ほろ酔い気分で気軽にラーメン屋ののれんをくぐった日も過ぎ去り、未知のウイルスとの戦いは収束の見通しが立っていない。政府は23日、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に3度目となる緊急事態宣言の発令を決め、酒類を提供する飲食店に休業要請する方針だ。

 こうした自粛ムードを背景に需要が一気に拡大したのが、自宅でお店の味を楽しめるラーメン宅配サービス「宅麺.com」だ。全国158店舗(4月19日現在)のラーメン店で実際に提供されているスープや麺、具材をそのまま冷凍して届けるサービスで、1回目の緊急事態宣言が発令された昨年4月から1年で会員数が倍増。延べ27万人を超えた。

 月間販売食数でもコロナ禍以前と比較して大幅な増加傾向が見られ、昨年4月以降は前年同月比で2倍を超える販売数が続いている。ピークだった同年7月には4.65倍にまで伸長。5月は想定以上の注文が来たことで、ラーメン店での製造が追いつかない事態にもなった。

 「宅麺.com」でラーメンの販売を行う「パートナー店舗」も、この1年で46店舗増加した。パートナー店舗からは、コロナ禍で売り上げを確保する手段になったという声が多く上がっており、中には「宅麺.comがなかったら店が潰れていたかもしれない」といった切実な声も寄せられたという。

 飲食店に風向き厳しく

 首都圏を中心に、飲食店は営業時間の短縮を余儀なくされ、全国約7000店の飲食店のデータを持つテーブルチェックによると、緊急事態宣言が解除された今年3月下旬以降で、ランチタイムは2019年比の全国来店人数で41.7%減、ディナータイムは同64.6%減となった。(関連記事:「飲食店が振り回されている」蔓延防止でダメージ深刻、ディナー客64.6%減に

 「宅麺.com」を手がけるグルメイノベーション(東京)の井上琢磨社長は、新型コロナによって生活が一変した世界で、「突然、ラーメン通販の先駆者として脚光を浴びることに戸惑いました」と本音を吐露しつつ、コロナ禍で“本物のラーメン”を自宅で楽しむ文化を根付かせていくことを目指し、「パートナーでもあるラーメン店と共存共栄を志し、新たな時代を切り開いて行ければ」との展望を描く。

 24日には、全国の人気ラーメン店10店が参加し、普段店頭や「宅麺.com」では取り扱っていないラーメンを販売するオンラインイベント「真ラーメン祭り絆 2021 in 宅麺.com ~春の陣~」を開催する。冷凍しても風味が変わらないという商品のみを扱ったサービス。「お店と同じ味」を味わってみたい人は、この機会に自分にとっての「珠玉の一杯」を探してみるのもいいかもしれない。

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SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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