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課題は登山者抑制? 訪日客1000万人超えに弾みも「入山料」導入か

ニュースカテゴリ:社会の話題

課題は登山者抑制? 訪日客1000万人超えに弾みも「入山料」導入か

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 富士山の世界文化遺産登録が確実になり、国内の旅行、運輸など関連業界からは一様に歓迎の声が上がった。一方、遺産の保全状態が悪ければ登録抹消となる恐れもあり、「入山料」の導入など、登山者抑制や環境保護が課題となる。

富士急株ストップ高

 政府は今年1年間に日本を訪れる外国人数の目標を、過去最高の1千万人に設定。1~3月は約225万人で、現状なら目標に届かないとみられるが、観光庁は「1千万人超えの弾みに」(国際交流推進課)と皮算用する。

 世界遺産登録で「好影響が期待できる」(JTB)との声は多い。はとバスは「地方から上京した後、富士山まで足を延ばす需要が生まれればいい」。プリンスホテルは富士山に近い箱根で運営するホテル「ザ・プリンス箱根」で、宿泊代を富士山にかけた2万2300円とし、一部を世界遺産登録の推進団体に寄付する企画を提供してきた。担当者は「協力が実った」。

 1日の東京株式市場では「世界遺産効果」で関連銘柄が急上昇。富士山のふもと山梨県富士吉田市に本社を置き、遊園地の「富士急ハイランド」も運営する富士急行は、前日比150円高の1065円とストップ高で取引を終えた。

 菅(すが)義偉(よしひで)官房長官も登録について「大変喜ばしい」とコメントした。

環境保全で入山料も

 環境省によると、夏季(7~8月)の富士山の登山者数は、登山ブームで昨年は約31万8600人を記録、世界遺産登録でさらに増えることが予想される。

 富士山を擁する静岡、山梨両県は世界遺産登録を見据え、環境対策を進めてきた。山小屋などに屎尿(しにょう)を分解する「バイオトイレ」も数多く設置。登山者抑制などを目的に関係自治体が3月から「入山料」の本格検討も始めており、来夏の導入を目指している。

 こうした動きは、世界遺産委員会から6年ごとに保全状況の報告を求められることも背景にある。問題があると判断された場合「危機遺産」登録や、登録抹消の可能性があるためだ。

過去には取り消し例

 実例もある。ドイツの「エルベ渓谷」、オマーンの「アラビアオリックス保護区」は、交通整備や開発を優先したため、世界遺産に登録されながら登録が取り消された。1978年に世界自然遺産第1号として登録されたガラパゴス諸島は、観光客管理が後手に回り、いったん「危機遺産」に転落している。

 世界遺産に詳しい国士舘大の岡田保良教授(西アジア建築史)は「富士山は現在でも登山者があふれており、さらに増えれば事故やマナー悪化が懸念される。入山のコントロールが課題で入山料徴収もやむを得ない」と話している。

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