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五輪できても陸上できず…新国立競技場、改築計画にサブトラック併設なし
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2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の改築計画が陸上競技関係者に波紋を広げている。サブトラックが併設されないためだ。新競技場は東京五輪で開閉会式や陸上などを行うが、このままでは五輪開催後には陸上の高校総体や全国中学校大会の開催さえ困難な形となる。「どのような方向性で使っていくか見えない」との声は強く、五輪後の位置づけや利用法について議論を深めていく必要がありそうだ。(宝田将志)
「新しい国立は、第2種の競技場になる」というのは日本陸連関係者。日本陸連は国内の競技場を1~4種に分類しており、国際大会や日本選手権など全国規模の大会を開ける「1種」の条件に、全天候舗装された400メートルトラックの併設を挙げている。この規定は移行期間を経て17年度から徹底する方針で、19年に完成予定の新競技場では各年代の全国大会を開けなくなる情勢だ。
「そもそも競技会を行うのに、サブトラックがないと危険だ」とは日本陸連の森泰夫事業部長。陸上は全国中学校大会も高校総体も1700人前後の選手が集まる。
走・跳・投と動きが多様なうえ、各種目が同時進行する特性上、ウオーミングアップ場としてトラックを準備できなければ、混雑した状況を生み選手の安全を確保できない。
だが、日本スポーツ振興センター(JSC)による「神宮外苑地区地区整備計画」にサブトラックの新設は盛り込まれていない。東京都の都市計画などにより、神宮外苑は公園の保全や建造物の規制が定められているため、十分な敷地が確保できないという事情がある。
JSCによると、新競技場の将来構想を話し合う有識者会議で「地下に造っては」との意見が出たが、地下鉄の状況や投擲(とうてき)競技での利用などを考えれば実現は不可能だ。
20年東京五輪では、聖徳記念絵画館前の野球場に仮設でトラックを造る。1964年東京五輪や91年東京世界陸上の際と同じ対応だ。ただ日本陸連関係者によると、トラックを仮設するのに3~4億円かかるとされ、「費用の面から高校総体などではとても造れない」。8万人収容に生まれ変わる新競技場は「サッカーの代表戦とコンサートでしか使えなくなる」との指摘もある。
現在、陸上やサッカー、ラグビーなどの選手は、敷地内にある70メートル×6レーンの走路と、7・2メートル×45メートルの人工芝とで試合前の準備をしている。JSCは来年3月までをめどに、各競技団体の関係者らで構成する有識者会議の意見を踏まえ、ウオーミングアップ施設を含めた競技場の基本設計を固めていく方針。JSC新国立競技場設置本部の高崎義孝運営調整課長は「新しい国立も“スポーツの聖地”と呼んでもらえる施設にしていきたい」と話している。