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【どこまで進む? 再生可能エネルギー】

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【どこまで進む? 再生可能エネルギー】

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THKの関連会社の工場に設置している垂直型風車(宮城県大衡町)  ■THK 風力、小水力など新規事業拡大へ

 機械部品メーカーのTHKが風力発電、小水力など再生可能エネルギー事業を強化している。風力では軸受技術を生かして高効率で回転する主軸などを開発、小型風車向けに供給が決まった。小水力では農業用水向けに低コストの小型水流発電装置を開発、実証実験に入っている。再生エネの導入拡大をにらみ、新規事業として確立させたい考えだ。

 THKは直線運動を軸受で実現した「直動システム」を製品化し、工作機械など生産現場を皮切りにロボットや自動車部品、免震装置など市場を拡大。さらに開発を進めてきたのがエネルギー関連分野。高効率で回転できる自社技術を生かせるためだ。

 風力発電では海外メーカーから風車の主軸用軸受の引き合いがあったのを機に用途開発を進めた。重い荷重でも高精度な回転運動が可能な「クロスローラーリング」という軸受を利用した。「小型風車ではこれまで市販の軸受を使っていたが、オーバースペックで余計なトルクを生じていた」(技術本部の高橋裕一主査)からだ。

 そこで、垂直型風車にこの軸受を利用し、歯車をダイレクトドライブ化するなどで2012年から実験を開始したところ「発電効率は25%から28%に向上」(同)、発電量を1割程度上げられたという。この駆動機構は2~5キロワットの小型の垂直型風車向けで、すでに国内メーカー向けに供給が決まっており「量産化の準備を進めている。今後は最大20キロワットまで対応させる」(同)計画だ。

 垂直型だけでなく、水平型でも歯車を使わない駆動機構を10年から実験しており、「30キロワットまでの小型風車向けに実績をつくりたい」としている。

 一方、垂直軸を生かした小水力発電装置「小型水流発電」も開発した。水位差が小さい農業用水でも利用可能で、しかも両岸に橋を渡して発電機を備えたシャフトユニットを載せるだけのため設置が簡単という。12年から台湾の2カ所で実証実験しているほか、今夏には国内で初めて神奈川県で実験を行った。発電出力は最大2.2キロワットと小さいが、「初期投資は数百万~1000万円と安価で、同じ用水路に複数台置くことも可能」。

 このほか、集光型太陽光発電向け架台駆動ユニットの開発にも取り組んでおり、再生エネ市場を「新事業の柱に育てる」(技術開発第一部の会田智幸クリエイティブプロデューサー)考えだ。

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