▼なぜ政治家が突然、議員立法で改正法案を提出したのか
そこで浮上したのが議員立法だった。2013年10月31日。自民党科学技術・イノベーション戦略調査会(塩谷立会長)が議員立法で臨時国会にすでにある「研究開発力強化法」を一部改正する法案を提出することを決定した。
この法案では、労働契約法に特例を設け、労働契約法第18条第1項の無期転換制度の通算契約期間を5年超から10年超に延長した。
具体的な対象者は(1)科学技術に関する研究者又は技術者、(2)研究開発の企画立案、資金確保、知的財産権などを担当する専門的知識を持つ人、(3)大学などと共同研究する民間企業の研究者--である。
議員立法は内閣提出法案と違い、厚労省や文科省など関係省庁の手続きを経ることはない。もちろん、労働政策審議会で議論する必要もない。法律の作成に当たっては内閣法制局の手は借りても、行政手続法による1カ月前の公表やパブリックコメントの募集も不要だ。
しかも当時は、特定秘密保護法の成立を巡って世間の注目を集め、国会が紛糾している最中の11月27日に法案が国会に提出された。その結果、衆・参両議院で十分な審議を経ないまま、わずか9日間という早業で可決・成立したのである。