▼ナイキの「ヴェイパーフライ4%」に、三村氏は「反対」
一方で、今年の箱根駅伝ではナイキも大躍進している。
出場選手の内訳では、アシックスを抜いて、トップを奪取。世界のマラソン界を席巻している厚底シューズ、「ヴェイパーフライ4%」を履いた選手が40名近くもいたのだ。そこで三村さんに、ヴェイパーフライ4%についての印象を聞くと、「ハッキリ言って厚底には反対ですね」と口にした。
「ナイキさんが研究されたシューズやから、ええと思いますよ。ただ10人いたら10人とも『いい』というわけではないと思います。一番懸念しているのはクッション性がそんなにあって走れるのかということです。(走る者にとって)感覚的にはクッションがあったほうがいいんですけど、足の力が路面に伝わりにくい。クッションがありすぎるとそれだけ力がかかりますから、早く疲れるんです。個人的には爪先にクッションがあるような発想はしたくないですね。足首を痛める恐れがあるからです。でも、足首が固い選手はクッション性があった方が走りやすいので、そういう選手はいいと思いますけど、10人に1~2人ぐらいじゃないでしょうか」
三村さんは「厚すぎてもダメだし、薄すぎてもダメ」という。
「瀬古、宗兄弟(茂、猛)、中山(竹通)、谷口(浩美)らのシューズも作ってきましたけど、あの当時と比べたら、いま私が作っているシューズは1~2mm厚いです。(昨今の選手の)筋力不足という理由もあるでしょう。でも、クッション性があったら速く走れるかというと、そういうわけではないと思いますよ。自分の足の力が路面にどれぐらい伝わっているのか。それが大切になってくる。だから、厚すぎてもダメだし、薄すぎてもダメ。その選手の足の形態、アライメントに合ったシューズを履くことが重要になってきます」