社会・その他

いつか来る“通貨危機” なぜ、日本人は気づけないのか

 かなり単純化しているが、基本的にはこうしたロジックで、近年の世界的な金融危機は発生した。米国が利上げに転じたのが15年12月、既に2年半の歳月がたっている。マネーの米国回帰の影響がそろそろ出てきてもいい頃だ。

 心地いいドル円の傍らで忍び寄る通貨危機

 マネーの流れの変化を最もよく反映するインディケーターは、通貨だろう。グラフは年初来の主要通貨の対ドルでの騰落率を見たものである。先日、国際通貨基金(IMF)への支援を要請したアルゼンチンのペソは20%を超える下落幅を記録している。また政情不安が意識されているトルコのリラも13%近く下落している。それ以外にも、豪州やインドなど、資源国や新興国を中心に通貨がかなり下落していることが分かる。

 日本人は良くも悪くも対ドルでの為替水準で物事を考える。企業の収益も決済通貨であるドルとの関係が重視される。足元、対ドルレートは1ドル110円程度である。年明けの対ドルレートは112円台であり、3月には一時105円を割り込んだ。もっとも、そこからは5円切り返しており、対ドルレートは比較的安定しているという印象を持っている人が多いだろう。

 現状の日本は、ドル円レートの心地いい湯船に浸かっているため、世界の為替市場の動きが反映している米国へのマネー回帰の流れを見失いがちだ。先に述べたアルゼンチンやトルコの通貨下落は既に危機的であるし、通貨危機の前段階にある通貨不安に近い通貨も散見される。

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