社会・その他

いつか来る“通貨危機” なぜ、日本人は気づけないのか

 通貨危機が生じれば、円高は一気に加速する

 本来、円高は否定されるものではない。円高によってより安価に輸入や対外投資を行うことができるからである。とはいえ急激な円高が生じると、輸出や企業業績の悪化を通じて、景気に強い悪影響が及ぶことになる。

 そもそも欧米の金融機関の多くは、日本円は主要通貨の中で割安であると評価しており、当面は円高気味に推移すると予想している。そうした基本的な流れがある中で世界的な通貨危機が生じれば、円高は一気に加速する。

 繰り返しになるが、急激な円高を和らげる有効な術は、今の日本に存在しない。心地いいドル円の湯船に浸かっている傍らで、世界では通貨危機、金融危機、ひいては急激な円高の足音が強まっていることに留意したい。

 土田 陽介(つちだ・ようすけ)

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 研究員

 1981年生まれ。2005年一橋大学経済学部、06年同大学院経済学研究科修了。浜銀総合研究所を経て、12年三菱UFJリサーチ&コンサルティング入社。現在、調査部にて欧州経済の分析を担当。

 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 研究員 土田 陽介 写真=iStock.com)

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