体が勝手に反応してしまう「仕掛学」 その社会貢献を第一人者に聞く
更新松村教授は「パッと見だけで、どう使えばいいか短時間で想像がついたり、判断できたりすることも大切」と強調。単純なゴールつきごみ箱の裏側には、このようなメカニズムが隠されていた。
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試食を増やすには…
松村教授は学生らとともに、さまざまな実証実験に取り組んでいる。
大学近くにあるパン屋は、ある悩みを抱えていた。「お客さまがなかなか試食してくれない」。一度試食したら「商品を買わなくてはならない」とのプレッシャーを、客が感じてしまうことが原因とみられていた。
これは「返報性の原理」と呼ばれている現象だ。誰かから何かをしてもらったら、お返しをしないと申し訳ない感情が働く心理という。
そこで松村教授らは、複数の試食用パンを用意し、試食後にどちらがおいしかったかを、つまようじで意思表示できる方法を考案。心理的なハードルが生まれやい通常の試食を、アンケートや投票といった形に変えた。その結果、通常の試食と比べ、意思表示型の方が、客に試食される回数が増えたことが分かったという。
傘の盗難防止にも仕掛け
対照的に、特定の行動を「させない」ようにいざなう仕掛けもある。
傘置き場に置いていた傘を誰かに盗まれ、ショックを受けた経験は誰にでもあるだろう。そこで盗難防止のために考案したのが、傘の盗難に関するアンケート用紙を傘置き場に張る、という仕掛けだ。
質問内容は「これまで傘を盗まれたことがありますか」というもの。見た人はシールを張って「はい」か「いいえ」に投票する仕組みになっている。「誰かに見られているんじゃないか」との感覚が人間の行動を律する可能性があるとみており、詳しい結果は現在検証中という。



