体が勝手に反応してしまう「仕掛学」 その社会貢献を第一人者に聞く
更新研究室ではこのほか、人がたむろし、通行に支障が出る恐れがある場所に怪しげな模様を投影して行動の変化を調べたほか、商店街を自転車で走り抜ける人への対策として、どんな看板が効果があるのかなどを検証した。
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社会問題解決目指して
まだ明らかにできない実験を含め、松村教授は公共交通機関や商業施設、教育機関など、複数の外部機関とコラボレーションし、仕掛学の共同研究を進めている。工夫された仕掛けが、社会のさまざまな問題を解決に導く可能性があると信じているからだ。
大阪大医学部付属病院(大阪府吹田市)で10月に設置された、イタリアの観光名所「真実の口」を模した消毒器は、口に手を入れると、アルコール消毒液が自動的に出てくる仕組みだ。映画「ローマの休日」にも登場し、思わず口に手を入れたくなる好奇心をくすぐる見た目になっており、設置初日は多くのお年寄りや子供が利用した。
阪大病院では来訪者らの手や指の消毒率が低いとのデータがあり、インフルエンザの流行期を前に、楽しみや驚きを交えながら消毒液を広げる狙いがあった。
「大切なのは強制をしないこと。そして、自然にその方向にいざなうこと」。自身の仕掛学の“哲学”をこう語った松村教授。子供向けの「仕掛けコンテスト」の開催にも意欲を見せており、「みんなが仕掛けの発想を持つことで、ものごとをネガティブからポジティブへ転換し、社会の問題が減っていくことになればうれしい」と語った。



