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“予想外のタイミング”で出会っていた「運命の仕事」
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あなたは、今の自分の仕事を「一生続けていきたい運命の仕事だ」と、声を大にして言うことができるだろうか?リクナビNEXTでは、500人のビジネスパーソンを対象に、「運命の仕事」との出会いについての調査を行った。あなたの今の仕事、そして未来について考えるきっかけにしてほしい。
27歳の時に、そう遠くない将来に彼女と結婚しようと決断しました。ただ、当時は収入も低かったですし、特に自分の仕事に自信も持てていなかったので、まずは一度がむしゃらに頑張ってみて、「自分はこれで一生食っていく」といえるようになろうと決めました。といっても、できることといえば目の前の仕事を必死に取り組むだけ。とりあえず先輩や上司には、「近々結婚したいので頑張る」と宣言し、今まで以上に責任ある仕事に関わらせてもらえるようにお願いしたんです。周囲も僕のやる気を買ってくれて、勉強のために大きな商談に同行させてくれたり、付き合いの長い顧客の担当に抜擢してくれたりと、チャンスを与えてもらいました。
今の仕事を「運命の仕事」だと思ったきっかけは、約半年後の査定面談で上司にかけてもらった言葉です。「お前のいいところは責任感が強いところ。その調子で後輩にもいい影響を与えてほしい」と直接言ってくれました。自分が認められたこと、そして期待されていることを痛感し、ものすごく嬉しかったんです。それ以来、仕事にも熱が入り、取引先からも「君のおかげだ、ありがとう」と言っていただくことが増えました。やっぱり、身近な人に見ていただけていること、そして評価してもらえることが仕事のやりがいを左右しますし、心底やりがいを実感できる仕事だからこそ、一生の仕事だと言えると思います。
新卒時には憧れていたマーケティングの仕事に就くことはできませんでしたが、入社5年目、28歳の時にウェブマーケティングを担当する部署に異動できることになりました。その前にやっていた営業職に面白味を感じ始めたところだったので、チャンスをもらえた喜びと同時に、もうすこし営業をやりたかったという気持ちが半々。それでも、花形の仕事を任されるわけですから、精一杯楽しもうと頑張ることにしました。ところが、初めて経験をする仕事では上司や先輩に怒られてばかり。クライアントとの打ち合わせや会議の場でもなかなか発言させてもらうこともできず、自分の力のなさや役立たずな姿に苛立ちを覚えました。
そんな状況を打破しようと、週に必ず3冊は専門書を読んだり、仕事の後の時間や休日を利用してセミナーや講演会に参加してみたことが、自分を変えるきっかけになったんです。四六時中、マーケティングのことを考えてみて、その世界にどっぷり浸かってみる。仕事帰りや休日には積極的に街を歩いて、流行りのものに触れた感想をミーティングの場で発表してみたり。いきなり大きな仕事をしようと背伸びするのではなく、まずは小さなことで周囲に認めてもらおうと思うようにしたんです。
実際、今でも大した仕事もできていませんし、まだまだヒヨコです。だけど、こんなに無我夢中で努力できるのは、この仕事が好きで、もっとこの仕事で認められたいから。たくさんの職種を経験してきたわけではありませんが、仕事をするにあたってこんな気持ちになったのは初めてなので、きっとこれこそが自分にとっての「運命の仕事」なんだろうと思っています。
経理の仕事を始めたのは、実は消去法からでした。どちらといえば人見知りの性格で、社交性に欠けていると感じていたので、自分のペースでコツコツできる仕事ということで事務職系の中から選んだ仕事です。今の職場は経済学部の先輩に勧められるままに決めた、社員12人の貿易会社。入社以来15年になります。最初の3年くらいは覚えることが楽しくてそれなりに刺激のある毎日でした。しかしそれ以降は、毎月同じような伝票処理と給与計算をこなす変化のない仕事に、飽きを感じることも増えました。でもほかにできることもないですし、必要とされることは多かったので、居続けてしまって今に至ります。
そんな気持ちに変化が生じたのは、約半年前のこと。知り合いが事業を起こしたのですが失敗し、再就職に苦労しているという話を聞いたことがきっかけでした。最初は「私は仕事があるだけましだ」と思うだけだったのですが、よくよく考えてみると「なんだかんだいって15年間も続けられたということは、自分にとって居心地のいい、やりがいが持てる仕事だったということではないか」と思うようになったんです。
それからは、「変化がないのはつまらないことではなく、私がやるべきことをきちんと全うしているからスムーズに流れているんだ」と仕事に対する捉え方が変わりました。経理職として淡々と、トラブルなくやり続けること。これが自分にとっての一生続けるべき仕事なのかなと思っています。
30歳の時、自社で始めて取り組むECサイトの開発PLを任されることになりました。社内開発のため、企画そのものは数年前から立てられていたのですが、仕様書などはなかったため、最初の設計や各方面との折衝、開発担当の下請け会社との調整などを行うところからスタート。当時のプロジェクトメンバーは、私と入社2年目の後輩の2人だけで、ほぼ私一人で担当しているようなものでした。また下請け会社のサービスレベルが低く、何度も細かいチェックが必要になったり、サービス開始直前に仕様変更があるなど、不測の事態が続き、カットオーバーの予定日を1週間ずらすことにもなってしまいました。何日も家に帰れず、その状況を見かねて、社内でも「要領が悪いのでは」と非難されることもありました。
そんな約8カ月のプロジェクトでしたが、カットオーバーまでやりきることができたことが、ものすごく大きな自信になりました。その仕事に取り組む前に比べたら、技術に対する知識は雲泥の差ですし、責任感や後輩への指導の仕方も変わりました。一組織の人間ですが、「自分が動かなければ、形にならない仕事もある」ということを実感してからは、目の前の仕事すべてが「自分がやるべき仕事」と思うように。損得や面白い・つまらないといった判断をしなくなりました。与えられた環境下でできることをやるというのが、自分が一生続けていきたい仕事の仕方だと気づくことができました。それは3年経った今でも変わっていませんし、今後も変わらないと思います。
アンケート結果や、4人のインタビューを通じて見えてくることは、「運命の仕事」に“予想外のタイミング”で出会っている人がいるということ。そして、会社の同僚や家族など周囲の環境からの影響が大きいということだ。もちろん、一生懸命見つけようと努力することも大事だが、必死に探せば必ず見つかるものでもないのも事実。そこで大切なのは、きっかけや前触れに“気づく”ことではないだろうか。毎日、必死で働いているからこそ、当たり前になってしまって見えにくくなっている場合は多い。一方で、知らない情報を探しにいくなど、普段と違うアクションを起こすことでもたらされる発見は多いものだ。ただ「ないものねだり」をするのではなく、意識のスイッチを入れ替えたり、一歩でも思い切った行動をとってみることが、「一生続けたいと思える仕事」に出会うチャンスを広げるのではないだろうか。