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書評
日本の男を喰い尽くす“タガメ女”とは? 「女性による男性の搾取」に着目
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『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』
そろそろ蚊が気になる季節。高温多湿の日本は虫の天国である。台所にはゴキブリがいる。ネットにはイナゴがいる。そして結婚市場には…タガメがいる。
タガメとは、強靱(きょうじん)な前足でカエルや小魚をがっちりとつかみ、鋭い口吻(こうふん)でその血肉をじわじわと吸い取ってしまう大型水生昆虫。このカエルとタガメの関係は、日本の夫婦関係にそっくりなのではないか、というのが本書の主張だ。
男尊女卑とされる日本だが、実態は専業主婦に代表される強い女が弱い男を搾取する面も大きい。
住宅ローンや世間体に縛られ、疲れた表情の通勤サラリーマン。自殺者も大多数は男だ。夫はカエルのように人生のリソースを吸われていくが、それを当然と思わされている。
一方で女の側も、「ママ友地獄」に象徴されるように必ずしも幸福ではない。高度成長期に米国から輸入された「幸福な家庭像」の呪縛が、いまや男女ともに多くの不幸を生んでいるのだ。
著者は「魂の脱植民地化」を説く大阪大大学院准教授。4月下旬の発売以降、ネットを中心に反響を呼び、現在4刷1万3000部。
凡百のフェミニズム論とは逆に、「女性による男性の搾取」に着目した議論は刺激的だ。(講談社+α新書・880円・)(磨井慎吾)