SankeiBiz for mobile

コスプレ会合で居場所づくり 引きこもりの自立を支援

ニュースカテゴリ:暮らしの生活

コスプレ会合で居場所づくり 引きこもりの自立を支援

更新

 自室や自宅に引きこもり、社会活動に参加できない若者の自立を支援するため、横浜市鶴見区のNPO法人「コス援護会」が、コスプレ(アニメなどのキャラクターにふんすること)のイベント運営などを通じた居場所づくりに取り組んでいる。同会理事長の園田明日香さん(40)は「そこにしか居場所がない子を否定しないでほしい」と話す。(寺田理恵)

同好の士と

 同会は、行政主体のイベントなどに参加してコスプレを行ったり、漫画やアニメ、ゲームといったポップカルチャーに興味のある若者が集まる場を設けたりしている。コスプレを通じた仲間づくりを掲げており、力を入れているのは不登校や引きこもりの若者の居場所づくりと相談事業だ。

 スタッフとして活動する相模原市の30代の男性はコスプレ経験が10年以上あり、その利点を「どんな漫画が好きかなど興味の対象が見た目で分かる。コミュニケーションが苦手な人でも、同好の士と会話が盛り上がりやすい」と指摘する。

 自身も1年前、鬱病を発症し、出社できなくなった。会の活動を通じた知人の誘いでボランティア活動を続けながら社会復帰を目指している。

 「会で活動していたから誘ってくれる人がいた。引きこもると、何もしたくなくなる。そういう人の心に何が響くか分からない。彼らに投げ掛ける網の一つにサブカルチャーがあってもいい」と、外出のきっかけづくりの重要性を強調する。

 「自分も引きこもりに近い状態」という静岡県のボランティアの20代女性は活動に何度か参加し、「好きなキャラクターに変身できるように感じ、勇気をもらえる気がする。学校とは違う雰囲気がある」と話す。

社会との接点

 同会は平成18年に活動を開始し、翌年にNPO法人として設立。21年に横浜市で開かれた「開国博Y150」への出展や、川崎市川崎区の川崎大師の門前町で毎年開催されるイベント「かわさき楽大師」でのパレードといった目立つ活動のほか、小規模なコスプレ撮影会や何もしないで過ごす会も実施している。

 参加者の中には自己肯定感の乏しい若者やリストカット(自傷行為)経験者もおり、何度か参加してから心情を打ち明けるケースが少なくないという。

 相談を受けて専門的な支援機関につないだり、有償ボランティアとして会のイベント運営に加わってもらうなど社会との接点をつくる機会を提供。そうした実績から、神奈川県の今年度のボランタリー活動補助金対象事業に選ばれた。園田さん自身も公的支援事業の相談員などを務めて技術を磨き、10月から保護司を委嘱された。

 園田さんは「衣装代や交通費がかかるので、アルバイトを始める子もいる。会のイベントで受付や更衣室管理などの役割を割り振ると、必要とされていると感じてリストカットが止まったケースもある。コスプレにしか居場所のない子を否定しないでほしい」と訴えている。

 コス援護会の問い合わせは(電)080・5385・2773。

ランキング