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高い? 平年並み? 野菜の価格 四国・九州産順調なら落ち着く
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夏の猛暑や相次いだ台風の影響で「高い」といわれる野菜の価格。一方、市場関係者からは「前年が安過ぎたので全体的に高く見える」「10月は平年並み」「やや高め」との意見も聞かれる。昨冬は気温が下がって高騰した時期があったが、今後の見通しは?(寺田理恵)
川崎市内の農家が収穫した野菜を持ち込む大型直売所「セレサモス」(川崎市麻生区)。運営するJAセレサ川崎(宮前区)の斎藤俊和広報課長は「直売所は安いというイメージがあるので、『野菜が高い』という報道があると、お客さんが増えます」と話す。
開店前には平日でも年配の夫婦や若い主婦らの行列ができ、麻生区内から来た主婦(42)は「自宅から近く、全体的に安いのでよく利用します。今日はレタスやダイコンがスーパーより安いですね」。
同店では、生産者が市場の卸値などを参考に価格を決めており、10月の価格はキャベツが1個150~240円程度。キュウリは雨が続いた時期は1本70~80円だったが、10月下旬には40~50円に戻った。
「台風の被害が小さく、通常通りの出荷があるので、店の価格は例年並み」(桐生栄子店長)。10月は野菜の端境期で売り上げが減る時期だが、今年は例年ほど減らず、昨年同時期の約4800万円より500万円ほど伸びる見込みだ。ただ、10月は店頭イベントも多かったため、直売所がにぎわった要因が「野菜の高騰」かどうかは分からないという。
「去年の夏に野菜が安かったのを覚えていますか」と話すのは、青果卸売会社「東京青果」(東京都大田区)の担当者。「価格を前年同期と比べると高騰しているように見えますが、今年の10月は平年並みからやや高め。同じ10月でも10日頃は気温が高く、安かった」と指摘する。価格が高くなる要因は、台風による被害もあるが、猛暑や天候不良、産地の切り替わりがうまくつながらず入荷が減るなど複雑で、瞬間的に高くなる品目もあるという。
農林水産省関東農政局が10月31日に発表した「野菜の入荷量と価格の見通し」(東京都中央卸売市場)によると、10月の主要野菜の価格は全体として平年(平成20~24年の5年平均)並みだった。
ただ、台風26号でナスやキュウリといった果菜類に影響が出るなど、下旬は平年に比べ、2、3割高くなっている。25~28日は2つの台風が関東地方に影響を与えるとの見通しが事前にあったため、一時的に高くなったとみられるが、月末には下がってきた。
近畿農政局によると、大阪市中央卸売市場も10月の価格動向は平年並みで、「大阪も全国から荷が集まるので、東京と似た傾向になる」という。
関東農政局では「日照不足や産地の切り替えなどでダイコン、キュウリ、ナス、レタスなど個別に見ると高いものもあるが、価格は日々上がったり下がったりする」と説明。気になる今後は、「11月の天候次第だが、西南暖地と呼ばれる四国や九州から順調に出てくれば価格は落ち着く」との見通しだ。
台風による野菜の入荷量への影響は、作物への直接被害に限らず、収穫作業や輸送が滞ることなどもある。
東京都中央卸売市場によると、10月16日に台風26号が関東地方に接近した後の野菜の週間市況(18~24日)は、入荷は全体的に少なめで、価格は前年比ではゴボウとトマトを除くと高めだった。台風18号が通過した週(9月13~19日)は通過後に入荷が少なめとなった品目が多く、価格も前年比で高め。品目別で見ると、例えば、ホウレンソウは生育の遅れと台風の影響から品薄傾向で、価格は前年比で高めとなった。