「政府に任せておいたらいつまでたっても、やらないだろう。日本が本当に豊かになるためには、工場で製品を造ってどんどん輸出していくことが重要なんだ。国内だけを見ていてはいかん」…
夜逃げ同然で上京し、裸一貫で東京・御茶の水の名水に砂糖を入れただけの「水売り」から出発した浅野総一郎。コークスやコールタールの廃物に着目し、廃物をセメント製造の燃料として用いる方法を開発。ただ同然のコークスをセメント工場に納めて巨万の利益を得、一代で浅野財閥を築く。本書は、そんな浅野総一郎の壮絶な人生を描いた。
現代の企業経営者に欠けているものが見つかる一冊だ。(1575円、幻冬舎)