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【著者は語る】「人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門」

ニュースカテゴリ:暮らしの書評

【著者は語る】「人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門」

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中土井僚氏  □オーセンティックワークス代表取締役・中土井僚氏

 ■自らの経験を元に、実践手法紹介

 「社長と副社長の距離は、副社長と社用車の運転手よりも遠い」「自分のような人材がもう一人いたら…」「どうして言われたことしかできず、目先のことしか考えられないのか。視座が低すぎる」

 こうした人と組織の悩みは、IT(情報技術)をはじめとした技術革新がどれだけ進もうとも、まるで永続的な問題であるかのように存在し続けています。

 これらが根本的に解決できないのは、そもそも完全に見落とされた領域があるからだとマサチューセッツ工科大学上級講師であるオットーシャーマー博士は喝破しています。

 戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー&カンパニーと彼の共同研究によって、約130人のリーダーに対するインタビューからU理論は生まれました。

 これまでブラックボックスになっていたリーダーシップ、クリエイティビティ、イノベーションの源泉となる人の意識や行動の変容の原理が理論として体系化されたことで、欧米をはじめインド、東南アジア、南アフリカといった地域においてまで実践事例が存在しており世界中で脚光を浴びています。

 2010年に翻訳された「U理論~過去や偏見にとらわれず、本当に必要な『変化』を生み出す技術」(英治出版)は600ページにわたる学術書でありながら、3年で第5版まで増刷を重ねたことからも注目度の高さが伺えます。U理論の独自性は、これまで精神論や暗黙知に過ぎなかったものを明確化した上に、個人だけでなくチームや組織といった集団の変容のプロセスにも着目している点にあります。

 私はそのU理論を翻訳した経緯から全国各地でセミナーやコンサルティングを行ってきたことで、日本の事情に合わせた入門書が求められていることがわかり本書を著すにいたりました。

 U理論により約10年にわたって変革を支援してきた私自身の経験を元に、9期連続赤字の企業のV字回復などの日本の事例を盛り込みました。U理論の概要をわかりやすく解説しているのはもとより「個人」「ペア・チーム」「組織・コミュニティ」の3つのレベルにわたって実践手法も紹介しています。(1800円(税別) PHP研究所)

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【プロフィル】中土井僚

 なかどい・りょう オーセンティックワークス代表取締役、組織変革ファシリテーター。マインドセット転換による人と組織の永続的な行動変容を支援する“組織進化プロセスコンサルティング”を行う。経営陣の分裂、膠着(こうちゃく)した利害対立、上司・部下関係や職場の人間関係の悪化などを自発的な解消に導き、それを“機会”に変えるリーダーシップ開発で、行動変容と組織変革を支援している。ホームページはwww.authentic-a.com/

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