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妊活、より正確なタイミング法は? 排卵の2日前、月経周期をデータ化

ニュースカテゴリ:暮らしの健康

妊活、より正確なタイミング法は? 排卵の2日前、月経周期をデータ化

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 晩婚化などにより不妊に悩むカップルが増えている。専門家によると、妊娠に最も適したタイミングは排卵の2日前。妊娠を支援するサイトでは、月経周期をより正確に算出して排卵日を割り出そうという動きも出てきている。(村島有紀)

 スマホで確認

 東京都内の会社員、中岡和代さん(43)=仮名=は妊娠、出産、育児に関するスマートフォン用サイト「ルナルナファミリー」(月額324円)の会員。「妊娠希望モード」に設定し、過去の月経期間を入力すると、次の月経と排卵の予定日、妊娠しやすい性交のタイミングを「仲良し日」として知らせてくれる。

 「月経が始まる日から2週間前が一番妊娠しやすい日だと思っていたが、数日早くて驚いた」と中岡さん。

 同サイトを監修する産婦人科クリニック「東峯婦人クリニック」(東京都江東区)の副院長、竹内正人さん(53)は「排卵日の性交が最も妊娠しやすいと思っている夫婦が多い。しかし、もっとも妊娠しやすいのは排卵日の2日前」と指摘する。

 待機が有効

 竹内さんによると、男性の精子が女性の体内で生き続けるのは2、3日が一般的だが、なかには4、5日間生き続ける精子もある。また、動きの早い精子は5~6時間で受精が行われる卵管に達するが、遅い場合は数日かかる。一方、卵子は排卵後、24時間しか生殖能力がない。

 「最近の研究で、排卵のときに卵管にある精子の数が多いほど受精率が高いことが分かってきた。排卵当日の性交では、多くの精子がたどり着く前に卵子の寿命が尽きてしまう」と竹内さん。排卵時に多くの精子が卵管に待機している状態が望ましいという。

 女性の排卵は月経周期の長短に関わらず、次の月経前の12~16日の間に起こるとされる。「ルナルナファミリー」を運営するエムティーアイ(東京都新宿区)は、月経周期が一般的な28日の場合、月経開始予定日の14日前を排卵予定日に一律に設定している。ただ、28日周期以外の場合は予測がずれることが多い。そのため、病院での検査や市販の排卵検査薬を使い「確定排卵日」として入力している会員のデータを利用し、予測することにした。

 同社の広報担当者は「今後は会員のデータを集積し、より正確な排卵予定日を各会員の月経周期に合わせて提供したい」とする。

 基礎体温も

 一方、月経周期だけをもとに排卵日を予測することに注意を呼びかける声もある。

 基礎体温計を販売するテルモ(東京都渋谷区)の商品企画担当の牧野倫子さん(32)は「月経があっても排卵をしていない無排卵のときもある。月経があるからといって全員が妊娠できるわけではないので、基礎体温を付けて」とアドバイスする。

 同社によると、基礎体温で低温相と高温相の区分がはっきりしない場合は、無排卵が疑われる。また、高温相が短い場合は黄体ホルモンの分泌異常で卵巣の働きが低下している場合もあるという。

 竹内医師は「晩婚化により妊娠しにくい夫婦が増えている。まずは妊娠しやすい時期に性交するタイミング法にトライし、半年から1年で妊娠しなければ不妊を疑い、早めに受診し原因を調べたほうがいい」と話している。

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