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就職内定率100%を達成 「人間力」育む東日本国際大

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

就職内定率100%を達成 「人間力」育む東日本国際大

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学校法人「昌平黌」の緑川浩司理事長  厳しい就職活動の状況が伝えられる中、就職内定率100%を達成している福島県いわき市の東日本国際大。2011年3月に爆発事故を起こした東京電力福島第1原発から42キロの場所に位置する大学だ。被災体験と復興支援で磨かれた学生の「人間力」と、少人数制ゼミによるきめ細かな指導が背景にあるという。

 「大学の建学の精神である『義を行い以って其の道に達す』という言葉が心に強く響いてきた」。大学を運営する学校法人「昌平黌」の緑川浩司理事長が東日本大震災を振り返る。自らの危険を顧みず学生の安全確認、留学生の帰国に奔走した教職員、復興支援のボランティアに励んだ学生らを「論語を必修とした儒学の教えの賜物」と誇らしげに語る。

 東日本国際大は1995年に開学。運営する昌平黌の起源は江戸時代に幕府直轄だった昌平坂学問所までさかのぼる。現在、経済情報学部、福祉環境学部のほか留学生別科を設置し、世界各国から多くの留学生を受け入れている。学生数は約800人。

 緑川理事長は「地方の小さな大学では面倒見がよくなければ生き残れない」と謙虚に話すが、その方針は「教授会が就職の責任を持つ」ほど徹底している。1人からでも開設する少人数制ゼミに加えて、欠席がちな学生にはアパートまで教員が出向くことも。留学生には「成田から成田まで」を実践。空港まで出迎えるのはもちろん、家族に不幸があったときなど急遽帰国しなければならないときも空港まで送り届けている。

 こうした面倒見の良さは事務畑を歩んできた緑川理事長の経歴も反映している。大学の学生が入る女子寮の舎監を30年務めてきた。「まさに格闘でした」と緑川理事長。涙を流しながら学生を指導したこともあった。

 就職内定率100%を達成したのは震災後の2012年度のことだった。緑川理事長は「未曾有の災害が学生の『人間力』を高めた結果」とし、有名大学の学生と競い勝つかたちで一部上場企業にも内定が出ている状況に「偏差値だけではない人間性を問う採用基準が生まれてきた」と感じている。

 東日本大震災を機にエジプト考古学者の吉村作治氏、評論家の森田実氏、脳科学者の中野信子氏ら著名人を客員教授に招聘し、復興をテーマに講座を開いている。「被災地の役に立ちたい」という思いから引き受けてくれたそうだ。来年度からeラーニングによる公開講座も予定している。

 「ピンチの中にチャンスはあります。被災地から、福島から将来を担っていく人がたくさん出てくることでしょう。そういった人材を育てていきたい」。緑川理事長は力強く抱負を述べた。

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