【28年春闘】労使のベアには大きな隔たり、工藤泰三経団連副会長と神津里季生連合会長に聞く
更新今年の春闘は、今月中旬に大手自動車や電機などの各労働組合が要求を提出し、本番を迎える。労使はともに、賃上げの必要性では一致しているが、賃金を底上げするベースアップ(ベア)をめぐる隔たりは大きい。経団連で労働政策を担当する工藤泰三副会長(日本郵船会長)と、連合の神津里季生会長がそれぞれインタビューに応じ、春闘で何を目指すかを語った。(平尾孝)
--経団連としての春闘への基本的な取り組みは
「業績の改善した企業は年収ベースで昨年を上回る賃金アップに取り組んでもらう。過去2年、賃上げを実現し、いい循環とするためにもモメンタムを維持しようという考えは労使双方で共有できている」
--連合はベア、経団連は年収ベースと賃上げ手法で違いがある
「経団連としてはベアを否定しているわけではない。だが、ベアを毎年やっていくのは大変で、ベースダウンはなかなかできないため、経営者はベアに慎重になる。そのため組合側がベアを前面に出すと(交渉の)間口は狭くなる。持続性を考えるにも、年収ベースでの賃上げを目指す方が現実的だ」

