【２８年春闘】労使のベアには大きな隔たり、工藤泰三経団連副会長と神津里季生連合会長に聞く
更新－－連合はベアが消費拡大につながると指摘する
「ベアが一時金よりも消費拡大につながるという調査は確認している。だが、昨年も一昨年もベアを実施したが、消費は拡大してはいない。社会保障などで将来の不安があって、ベアにしろ一時金にしても、まずは貯蓄しようという判断をしているのが実態だ」
－－中小企業の底上げや非正規社員の正規化は
「円安のメリットを受ける自動車などで、中堅、中小企業に働きかけるようにしているが、長続きはしない。必要なのは、生産性を引き上げることだ。大手と中小が一緒に改善に取り組み、効果を折半することが必要だ。不本意ながら、非正規社員となった方々の正規雇用化を進めていく」
－－今年の春闘をどう位置づけるか
「非正規雇用が増え続け、収入格差も広がる中、格差をなくしていくための『底上げ春闘』としていく。これまで、春闘の要求段階で、中小企業や下請けは大手よりも高い要求を出すのはおかしい、といった発想があったが、大手追従の発想から転換していく」
