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【2016春闘】経団連・工藤泰三副会長、連合・神津里季生会長に聞く

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【2016春闘】経団連・工藤泰三副会長、連合・神津里季生会長に聞く

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 □連合・神津里季生会長

 ■持続性と月例賃金で底上げ

 --今春闘をどう位置付けているのか

 「非正規雇用が増え続け、収入の格差も広がっている中でこれらの格差をなくしていくための『底上げ春闘』としていく。これまで長い間、春闘の要求段階で中小企業や下請けは大手よりも高い要求を出すのはおかしいといった発想があったが、そういった大手追従などの発想から転換していく」

 --過去2年はベアを実現した

 「2014年、15年と成果を上げ、デフレの重く沈み込んだ状況から一定程度はがすことができた。だが、ちょっとやそっとではデフレ脱却までは届かない。2年で賃上げが止まってしまったとなれば、デフレ脱却は夢のまた夢だ。中期的に賃金は上がるものなんだという確信を、世の中全体が持てるかどうかの瀬戸際が今年の春闘だ。その意味でも持続性が問われることになる」

 --経団連は年収ベースで前年超えを求めているが

 「賃上げは、月例賃金を引き上げていくというのが常識だ。経団連の方針は一時金を上げればいいという意味合いに取れる。一時金は収益の上がり下がりで変動するもので、(賃金上昇の)持続性を託せない。月例賃金にこだわっていく」

 --中小企業の賃上げを実現するには

 「サプライチェーン全体で生み出した付加価値を適正に分配するという考えが必要だ。親会社の労組が、子会社や下請け企業の賃上げを意識した要求をつくっていくことになる。だが、短期的に結果を出すことは難しく、厳しい交渉になるだろう」

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  • 連合神津里季生会長

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