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増え続ける生活保護費…パチンコで浪費 「行き場がない…刺激がないんだ」

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増え続ける生活保護費…パチンコで浪費 「行き場がない…刺激がないんだ」

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 午前5時に起き、割り当てられた掃除をすればあとは自由だ。「カネもないから」、日中の大半は部屋でテレビを見て過ごす。

 75歳まで働いた。野菜をワゴン車に積み飲食店に売り歩く行商だったが、視力が衰え運転できなくなり廃業した。唯一の収入となった国民年金は月3万円余り。アパートを引き払い、青果市場の駐車場に止めたワゴン車で寝起きしていたところを、区職員に勧められ、生活保護を申請した。

 生活保護と年金で月10万円余り。食費や光熱費などを施設に支払うと、手元には1万円ほどしか残らない。貯金はない。離婚した元妻とは没交渉だ。一人娘は8年前に病死した。

 入所者の多くは3カ月ほどで仕事を見つけ、退所していく。荒井さんは話す。

 「ここを出れば、話し相手もいなくなる。老いて昔のようには自由に動くこともできない。1人暮らしには不安しか感じない」

 国勢調査によると、65歳以上で1人暮らしの人口は平成22年時点で約479万人。高齢者の6人に1人が独居状態にあり、37年には5人に1人となる。

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  • 地域の清掃といった社会活動が「生きる糧になっている」と高齢者は訴える=2月25日、大阪市西成区(川瀬充久撮影)

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