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残業が多いのに給料は安い… “過労死予備軍”が多いワースト業種10

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残業が多いのに給料は安い… “過労死予備軍”が多いワースト業種10

配信元:PRESIDENT Online 更新

 最後に、職業別の過労死予備軍率を年収と絡めた図を作ってみましょう。医師や法曹はメチャクチャな長時間労働ですが、お給料は高いです。しかし、「キツイ&薄給」というダブルパンチの職業もあるのでは。

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残業が多いのに、給料は少ない。完全ブラック職種は?

 『就業構造基本調査』のデータから67の職業の平均年収を計算し、過労死予備軍率と関連づけてみると図2のようになります。点線は、全職業の平均値です。縦軸の過労死予備軍の出現率は、1000人あたりの数(‰)にしています。

 高給ですが、過労の度合いも高い医師が「ぶっ飛んだ」位置にあります。長時間労働の職業ほど年収が高いという相関関係は見られません。

 過労の率が高いにもかかわらず、給料が安い。そんな職業も結構あります。

 左上の職業がそうで、飲食調理、接客・給仕、自動車運転などは、過労死予備軍の率が相対的に高いにも関わらず、平均年収は全職業を下回ります。少子高齢化に伴い、需要が増している職業ですが、人手不足が効いているのでしょう。それでいて、薄給というのはキツイ。待遇改善で人を呼び寄せることにより、ドットを右下にシフトさせたいものです。

 話がそれましたが、電通の悲惨な事件が、決してイレギュラーなケースではないことがお分かりいただけたかと思います。世間の耳目を引く「悲劇」の下には、膨大な予備軍が潜んでいるのが常です。それを統計で可視化し、注意を喚起するのも重要な仕事といえるでしょう。

 (武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦=文・図版)

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